new/deleteは、C++はもとより、最近のプログラミング言語なら当たり前のようにやる(おっとdeleteはしないか)かと思いますが、そのコストについてはついつい忘れがちになります。
ADPは、C++で作成しているのですが、オブジェクトをリサイクルするように変更したところ、実行速度が倍ぐらいに速くなった。もともとは速くするために行った訳ではないのだが意外な副産物となった。
Visutal C++ではいつのころからか(遅くともVC++ 2003以降)、newすると最終的にはWindowsのAPIが呼び出される。パフォーマンスにシビアなシステムでは、ローカル変数の定義のようにお気楽に出来るものではないかもしれない。
といっても理屈だけではなんなので、具体的にどのくらいのコストがかかるかベンチマークしてみました。
#include <iostream>
#include <vector>
#include <time.h>
using namespace std;
class myobject {
int myvalue;
public:
myobject() : myvalue(0){};
};
myobject *myobjects[10*1000*1000];
int test(int v)
{
return v * 1000;
}
int main(void)
{
clock_t t = clock();
// new(1千万回)
t = clock();
for ( int i = 0; i < 10 * 1000 * 1000; i++ ) {
myobjects[i] = new myobject();
}
cout << "Time(new) is "
<< (double)(clock() - t) / CLOCKS_PER_SEC << "sec." << endl;
// delete(1千万回)
t = clock();
for ( int i = 0; i < 10 * 1000 * 1000; i++ ) {
delete myobjects[i];
}
cout << "Time(delete) is "
<< (double)(clock() - t) / CLOCKS_PER_SEC << "sec." << endl;
// 関数呼出し(1千万回)
t = clock();
for ( int i = 0; i < 10 * 1000 * 1000; i++ ) {
test(i);
}
cout << "Time(function call) is "
<< (double)(clock() - t) / CLOCKS_PER_SEC << "sec." << endl;
return 0;
}
以下、実行結果(Core i7-920 Windows7 コンパイルVC++2008 デバッグモード)
Time(new) is 2.065sec. Time(delete) is 2.35sec. Time(function call) is 0.26sec.
Windows環境でC++だと、おおむね1秒間に約数百万個のオブジェクトが作れるようです。また、関数呼び出しは数千万回できるようです。
上記の実行結果はデバッグ環境で行っていますので、リリースモードで実行するとこれから数倍速くなります。
この手の数字にピンとこない人の為に補足しますと、最近のコンピュータは1秒間に数十億個の命令が実行できます。単純に計算しますと、メモリの確保は約千個の命令を使っており、関数呼び出しは約百個の命令を使うということになります。