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「未経験者がIT業界に入るには?」2026年版

老兵は死なず、AIと踊る


面白いnoteの記事を見つけました。
未経験でSES会社に入社したらスキルシートで経歴詐称されて会社都合退職した話
先ず、私としてはこの記事にいちゃもんをつけようという意図はなく、書いてあることはその通りなので、むしろ「もっと世間に広めないと」ということでリンクを張ります。


私が驚いたのは、一見するとITとは関係ない職種である夜職を10年やっていたIT未経験の方が、曲がりなりにも会社に採用されたことです。
ここ5年くらいでしょうか?「未経験者でも出来る!」みたいな感じで、転職サイトやらスクールやらが雨後の筍のように出てきます。こういう記事で警鐘を鳴らしたりしていましたが、昔はある程度自分で勉強した人がこの業界にチャレンジしていたような気がします。
長年この業界にいる人間からしたら「未経験者で出来るわけないだろ」と思いますし、IT業界は昔からブラックと言われていましたが、SNS時代に入りさらに悪い方向にいっているんだろうなと実感されるところにあります。


なぜ経歴詐称する未経験者がSESで就業できるのか?


 記事をよく読んでいくと当の会社ですが(異論はあるでしょうが)そこまで悪徳ではないかと思います。一応、事前にテストをしてさらに2か月研修をした上での、SES(経歴詐称)ということですが、これはよくある会社となります。
経歴詐称は良くないことではありますが、そもそもなぜこういう商習慣が成立するのでしょうか?
一番の理由は、「こういう条件でもプログラマーとして何とかやっている人がいる」ということにつきます。


ポイントは、2か月みっちりやれば、出来る人は最低限のプログラミングが出来るようになるということです。私の他の記事を見た方は「5,000時間勉強が必要なのではないのか?」と思われるでしょう。その記事にも書いていますが、私がBASICを出来るようになったのは3か月(概ね100時間)です。その後、プロになるのに「5,000時間以上」勉強したということになります。
会社に入って2か月ということは約300時間程度勉強したということですので、(プロになれるかどうかは別として)最低限のプログラミングは、(人によっては)出来るようになっているということです。


どのくらいの割合の人間が300時間で最低限のプログラミングができるかどうかは客観的なデータは持っていませんが、今までの経験上、体感では2割ぐらいは出来るようになった記憶があります。ちなみに、過去に私が勤めたわりときっちりとした会社は、大学卒業(新卒)で、おおよそ3か月ぐらい研修します。そして大体5割ぐらいはプログラミングが出来るようになっていました。


 明確な根拠があるわけではないですが、要するに、概ね2,3カ月研修をすれば、2割くらいの人間は、最低限SESとして送り込めるようになるということになります。また、ちゃんとした企業でも正社員で入った新卒の半分はプログラミングが出来なかったケースがありました。ちなみにこの半分のプログラミングができない人達がプログラミングが出来るようになったかというと残念ですがあまりいなかったかと記憶しています。このように正社員で雇ってもプログラミングが出来ない場合、ほぼその会社のお荷物になるという実態があります。


プログラミングの適性を知る


 2,3か月で最低限のプログラミングが出来ない場合、この人達がプログラミングが出来るようになるかというと難しいものがあります。「向いていなくても5,000時間やればプログラミングが出来るようになると言っていたのではないか?」とご批判がきそうです。一番大きな要因ですが、「本人のやる気」があります。言葉を変えると「馬を水飲み場に連れて行くことはできても、馬に水を飲ませることはできない」というイギリスのことわざに尽きます。そして大体、会社に入って最初の2,3カ月で「最低限の適性と本人のやる気」を確かめているということが言えます。


 もちろんですが、やる気があっても3か月では無理という人もいます。そういう人は「規格外」ということなのでしょうが、SES会社ではそういう判断を「受け入れ先の企業」に委ねるでしょう。つまり出来ない場合でもSESとして就業させられることになります。


なぜ経歴詐称をするのか?


 これは、SESの受け入れ企業が「経験者」しか受け入れないことが大きいかとおもいます。もちろん探せば「未経験OK」というのもあるかと思いますが、そもそも未経験者OKの会社がSESを頼むはずもないでしょう。 
 SESというのはいわゆる準委任契約ということで、請負契約と異なり「完成保証がない」契約となります。つまり出来なくても契約違反とならないということもあります。で、実態としてですが、結構な割合で、完成しなかったりします。実は「末端のプログラマに完成保証を行わせる」のは現実的でない。完成保証させるには仕様を確定させなければならない等それはそれで厄介だったり、あまり大きな声では言えないがそもそも完成させる必要がないもの(例えばデモの開発とか)もあります。そうすると「未経験者でも良いのか?」という風になりますが、「完成保証」はしなくても「作業した人間自体はプロフェッショナルが行った」というのが発注者側の論理となるでしょう。
 一方で、誰でも最初は未経験者で、かつ最低限のプログラミングが出来る、つまりSESでの就業も実質可能ということであれば、ということで「嘘も方便」ということで経歴作業が行われます。また、実際にここからきちんと成果を上げるプログラマもいらっしゃるかと思います。そういう人は「嘘から出た真」と言えるかもしれません。また、完成しなくても「未経験者」ということがばれにくいということもあります。
 話がややこしくなったかと思いますが、要するに例えば夜職の場合、お客に夢を語ったこともあったかと思います。たとえ夢が実現しなくても、それに対していちいち「嘘つき」という方がおかしい、というのが還暦を控えたおじさんの意見になりますが、一方で「いただき女子」のようなことをするとダメですよということかと思います。


 政府は、DXと言ってデジタル化を推進しますと言いながら、このような業界のタブーについて触れないだけでなく、逆に推進するようなことをしています。本気でデジタル化を考えるのなら、このように人材を粗製乱造するのではなく、しっかりと地に足がついたキャリアパスを業界全体で考え、政府が後押しするようにしなければならないかと思います。


なぜ未経験者が採用されるのか?


 そもそも「経験者はSES会社に入らない」ということが言えます。私ですが、SES会社に行こうとも思いません。強いて言えばユーザ企業に直接売り込みを掛けるでしょうが、実は日本の大きな企業は「経験年数」以上に「見知らぬフリーランスと直接契約はしない」というのもあります。直接契約が難しいのはどちらかというと「利権」ということになりますが、このあたりがもう少し風通しが良くなると「人材不足」ということも減るかと思います。
 また既にみてきたようにIT業界のSESとは「ライオンが子供を谷底へ落とすような場所」と言えるかもしれません。そうして這い上がった子供は当然ですが、親から独立します。そうすると親は別の子供を探すということになります。
 それ以外の未経験が採用される理由ですが、「ルッキズム」ということもあるかもしれません。あまりこれ以上踏み込むと炎上するかもしれませんが、ご自身がルッキズムで採用されたかもといういうのは知っておいても損ではないかもしれません。私が担当したプロジェクトのメンバーにそういう人がいましたが、あまりプレッシャーを与えるようなタスクは割り振らなかった(サポート業務を任せた)経験があります。
 プログラマではんく、「メンバーの雑用」、「補助」、「テスト要員」ということで採用されることもあります。これは最初から補助やテスト要員ということではなく、「こいつはプログラムが組めなさそう」と現場のリーダーが思ったらそういう割り振りをされるかと思います。私もそういう割り振りをした経験があります。


働く人も学習が必要では?


 一方で、この方の記事を読むと「働く側の矛盾」を感じます。
記事を引用しますと、
『スキルが足りなくて辞めさせられるとかそういうことなら私も悪かったと思う』と書いてありますが、少なくともご本人としては、一定のスキルは身についているという認識だったように読めます。さらに『できない仕事を「できる人」として振られるのは相当なストレスだと思う』とおっしゃっています。つまり「額面通り2,3か月のスキル」で就業したいと思っていたかもしれません。
しかしながら、一方では、この方は、『社長は面接で「経験を2〜3年に見せなければいけない」と言っていたが、それはスキル面の話だと思っていたので面食らった。』と書いていますが、この方は「経歴2,3年のスキル」をどうやったら手に入ると思ったのでしょうか?
 例えば「1週間で英語が話せる」とかでしたらほとんどの人が「眉唾」だと思うかと思います。同時に、2か月の勉強では、どうやっても2年の実務スキルは獲得できません。
(ちなみに、この人は「その会社に入って2か月間の給料をもらったかと思うし加えて、解雇予告手当ももらっているということでなかなかのやり手ではあると思う)。
 「IT未経験」でネットを検索すると「未経験歓迎の会社や転職サイト」と色々出てきますが、実態としては経歴詐称を行うSESが多いということで、「まったくの未経験者がIT業界に就業できるほど甘くはない」ということは働く人も覚えておいた方が良いかと思います。


では、どうすれば?


 別の記事では、「AIを使って学習すればよい」と書いていましたが、「未経験者が就業目的で勉強をする」ということを少し真面目に考えてみます。
私の中では「5,000時間勉強しろ」ということなのですが、それではあまりにも漠然としていますので、就業までのステップごとに見ていきます。
もちろん、各ステップで、躓いたらAIを用いて補習をすればよいということになります。


Step1 基本情報技術者試験の合格
 経験がないとなると資格を取得するのが策の1つになるかと思います。
さらに、プログラマーとして就業を目指すなら、最初に
 基本情報処理技術者試験の科目Bの攻略
が優先されるかと思います。
たとえば300時間勉強すれば、基本情報の午後の試験は解けるようになるかと思いますし、300時間勉強しても解けなければ「向いていない」と判断しても良いかもしれません。
試しに一回問題を読んでみることをお勧めします。
例えばですが、令和5年の基本情報技術者試験の科目Bのリンクを掲載します(時間が経つとリンク切れになるかもしれません)。
正解はこちらです。

Step2 通信大学に通う


 放送大学やサイバー大学などがあります。これらは安価で学習内容も最低限のクオリティは保証されているかと思います。
私は放送大学を卒業しましたので、放送大学について説明します。
 放送大学の情報コース
  ちなみに私は、目的が違いますが、放送大学に3年次で編入し卒業しました。例えば大卒や中途退学等の方は単位が認定されるので、卒業を目指すなら3年次編入を行い情報系の単位を取得して卒業を目指すということもできます。卒業までの費用はHPによると77万円とあります。3年次編入をすれば費用は大雑把にいうと半額近くになるでしょう。多くのプライベートのプログラミングスクールがほぼ同程度の数十万円になっていますので、どうせやるなら学位の資格をとった方が励みになるでしょう。


 「大学を卒業したからどうやねん」という話もあるのですが、資格をとったり大学を卒業したりするということは「計画的に物事を進めることができる」ということでその点をアピールすれば、経歴詐称を行うSES企業ではなく、いわゆるクライアント企業への就業も目指せるかと思います。
また、アメリカの企業は本来、プログラマーで採用するにしても「コンピュータサイエンスの学位」を求めています。これはいわゆる基礎学力を求めていることになります。私のこの記事では大学教育について批判していますが、そうはいっても改めてシラバスをみると現在受講する方にとっての理想を追求しているかと思います。
(強いて、僭越ながらダメ出しを行うとすれば「OS」と「プログラミング言語処理(コンパイラの作成)」とかはあった方が面白いかとは思います)


 また、就業に際してですが、中途採用ということになりますとどうしてもハードルが上がるかと思いますが、「門前払いを食らう=SES企業」と考えて大丈夫かと思いますし、自社開発を行っている人材不足の企業にとっては「未経験者でも実力のある人」は歓迎するでしょう。


Step3 アルバイトを目指す


 既に書きましたが、企業がなぜ「プログラマ」を正社員として入れたがらないか?「SESが跋扈するのか?」というと「プログラマとして雇い、プログラミングが出来ないと分かっても、安易に首が切れない」というのがあります。試用期間があるのでちゃんとしている会社はそこで判断をするでしょうが、「この人はプログラミングが出来ない」という判断をするのも日本の雇用慣行に馴染まないということが言えます。
一方で、アルバイトなら比較的楽に就業が出来るかと思います。私も大学生の頃、ゲーム会社や計測ソフトを作成している会社にアルバイトでプログラミングを行っていました。雇用者、被雇用者、両方にとって気が楽な面があります。


まとめ


 「未経験がIT企業に就職できる」広告として氾濫していますが、例えば転職サイトなどは「転職者のその後」をどこまでケアしているか怪しいですし、未経験=スキルなしでもOKということではないです。
この話も嘘ではなく、むしろ「給料が出ているのかどうか不明ですが2か月間研修する」というのはむしろちゃんとしている方の会社になります。
経歴詐称はダメでしょうが、逆に「うちは経歴詐称はしません」と言われても、真の悪徳企業はそれを回避するでしょう。
また、今の多くの企業が実態として「法的にグレーな行為」を行っている面を鑑みると、個別の企業の問題ではなく、日本での働くことの問題としてとらえた方がよいかと思います。
 ITエンジニアと名乗る人でも、プログラミングが出来る人と出来ない人がいます。これは「適性(向いている向いていない)」もありますが同時に「本人がどれだけプログラマーになりたいかという意欲(熱望)」もあります。「適性がない=プログラミングが出来ない」というよりも実際は「あきらめる」ということが多いです。
 また、現場でのプログラミングは思った以上にプレッシャーが掛かります。リンクの方もそれが分かったので辞めたということもあるでしょう。
 中長期的な就業を考えるとSESというのはお勧めは出来ないので、きちんと勉強して資格や学位を習得すれば必要以上の寄り道をしなくてもよいかと思います。
基礎がしっかりとしていれば時代が変わっても、AIが台頭しても、その変化についていくことも出来るようになるでしょう。


老兵は死なず、AIと踊る

2026-01-12 | コメント:0件

「給付付き税額控除」議論に対する期待と不安

社会の矛盾に物申す


社会保障制度改革へ「国民会議」新設の方針…政府と与野党で「給付付き税額控除」議論、来月にも初会合

いよいよ「給付付き税額控除」について動き出したということですが、最初に私の立場を明確にしたいですが「給付付き税額控除」は賛成ではあります。
一方で、Yahooのコメントを見る限り「給付付き税額控除」はあまり人気がないらしい。これは大きな意味でのベーシックインカムで、私が知る限りここ15年ぐらい議論があり、確かに当時も「モラルハザードが起こり人が働かなくなる」と批判されていた。


社会保障を所得の再分配ということと定義すると、経済的に「恩恵を受ける層」と「負担をする層」に分かれるかと思います。
具体的には、年金だけでなく、日本の終身雇用もある意味社会保障の一端を担ってきたかと思います。つまり若いときに負担をして年齢が上がる度に恩恵を受ける仕組みである。そして定年を迎えたら年金をもらうというある意味『うまくできた制度?』といえなくもない。


ここまでならハッピーなのですが、問題はこれらの制度は必ずしも持続可能ではなく調整が必要なところかと思います。


年金で言えば、主に少子化により制度疲労(負担する人が減った)が起こり、「これでは収支がもたん」ということで今から20年程前に制度改革があり「負担」がおおむね倍になった。これは最近クローズアップされましたが、制度改革以降、年々少しずつ負担が増え、負担が倍になったのは10年程前になったかと記憶しています。


雇用慣行(終身雇用)で言えば、バブル崩壊後の経済停滞により、非正規雇用が増えこれらの人々の給料が抑えられた為、つまり恩恵にあずかれる人が減った為に、終身雇用が社会保障として機能不全を起こしているということになるかと思います。


そういう意味では、「給付付き税額控除」はこれらの恩恵から漏れた人を救うことになるということで期待が持てます。


しかしながら、「恩恵」と「負担」は国家としてはバランスさせないと持続可能ではないと考えますが、そういう意味では今の日本の社会保障は既に「このままでは持続可能ではない」ところにきているかと思われます。
つまり年金にしても終身雇用にしても、恩恵と負担がバランスしていないから改革があったわけで、新しい社会保障を作るのなら、恩恵と負担をどのようにバランスさせるか?という問題が出てくる。


社会保障は、余裕のある人は負担を行い、余裕のない人は恩恵をあずかれるという仕組みであるが、今の日本の状況を鑑みると『国全体が貧乏になったらどうするのか?』という話に集約されるような気がしています。


本来は、ある意味で社会制度の恩恵を受けておりかつ優秀であるはずの、エリート官僚や一流企業の正社員が『日本が向かうべき方向性』を示す(うまくかじ取りをする)べきでありますが、天下り問題や大企業の凋落振りを鑑みると、彼らがモラルハザードを起こしていると思われる点が残念である。
このように考えると、彼らにとって他人事である『給付付き税額控除』は、『年収の壁の議論(7兆円と言われた税負担が数千億円に矮小化されている)』のようにアリバイ的に実施されるというのが現実的なところかと思われる。


社会の矛盾に物申す

2025-12-27 | コメント:0件

経済対策が上手くいかない一つの理由(現場から)

社会の矛盾に物申す


日本経済は、政府が定期的に経済対策を打っているにもかかわらず、長期的な低迷から抜け出せていません。
私自身、労働者としての人生を通して、その「横ばい」をずっと体感してきました。


それは、
・補助金が「現場を助ける仕組み」ではなく「組織を回すための仕事」になってしまっている
・補助金を扱う側にリスクがなく、受け取る側にだけリスクが集中している
など、使い方が「現場向きでない」ということに問題があるかと思います。


上記問題点について、過去の経験から考察したいです。
ちなみに、コロナ禍の補助金についてですが私も受給しましたし助かったことは事実であることを申し上げます。
その後、いくつか補助金の申請等を行いましたが、結果として助かった補助金は「直接的な金銭支援」になります。
現在、補助金は受け取っていませんが、コロナ禍も過去のものとなりインバウンド需要も復活したので補助金なしでも大丈夫となりました。こういう意味(補助金に頼らなくなる)でも持続化給付金や雇用調整助成金は大変助かりました。


一方で、違和感を持つ補助金もありました。


・IT関連の補助金で、半額で会計ソフトが購入できるということで買おうと思ったら、面倒な手続きをやった挙句に、会計ソフト単独では買えずに、使うかどうかもわからないサポートが付与されて、結局、ほぼ定価で買う金額提示をされた。
→もちろんキャンセルした。


・とある期間、使用目的が決まってたプロジェクト系の補助金で、イベントを行う為に利用したが、コロナ禍が長引いたので延長申請をしたら却下された。
→補助金は要りませんということで中止申請をしたところ、延長が認められるようになった。『延長すればいいんですね』と上から目線で言われたので「もう要らないです」と言ったらそれは都合が悪いらしく最後は『頼むから延長してくれ』になった。とある経済団体が事務局をやっていたが審査がずさんで閉口した。


・とある旅行系の補助金(旅行者が割引の恩恵を受ける)で、こちらもなぜか実施要項が細かく決まっており、補助金の申請の段階で『これは却下です』と言われて補助金を受け取れなかった。旅行者には割引で旅行をしているが追加の料金負担をお願いできるわけもなく、こちらが被った。ここまでならこちらの落ち度ということも理解できるが、次の旅行の時に事務局に詳細を確認したところ、『それはできない』と言われた。リスクを旅行会社が受ける補助金ってなんの為の補助金か理解に苦しむ。ちなみに事務局は各都道府県にあり大手の旅行会社からの出向で行われていた。つまり大手旅行会社への補助金かと勘ぐってしまいます。


・とある旅行系の補助金(旅行者が割引の恩恵を受ける)で、クーポン券の発送(宅急便)が間に合わず、離島まで運ぶというアルバイトをした。ちなみに数人で離島へ行ったが旅費が数十万かかったかと思うが配布したクーポン券は3冊だった。意義はあったかもしれないが宅急便なら1万円でおつりがくるクーポン券の発送をわざわざ数十万の旅費をかけてやることかと思う。これは1か所の旅費であるので全体では膨大な費用が発生したかと思う。


・ITプロジェクト等は失敗がつきものなので成果が出ないのは仕方ない面があるが、会社員時代は上司が『○○のお金をぶんどる』という意識でやっていた。後にその会社は辞めた。


という経験がありました。とくに『一部の企業に恩恵がある』や『補助金をとりに行く体質』を鑑みるに、現在の補正予算が大規模になっていく理由として合点が行きます。
つまり、補助金が「補助」ではなく、事実上の定期給付になってしまえば、事業者は自立できず、経済も回りません。
この構造そのものが、現在の日本経済の停滞を長引かせている一因ではないかと感じています。


社会の矛盾に物申す

2025-12-25 | コメント:0件

台湾有事・核武装発言と円安について、通訳ガイドとしての見通し

社会の矛盾に物申す


※本稿は特定の政策や政権を支持・批判するものではなく、通訳ガイドという職業から見た地政学リスクの整理です。


先月の首相による台湾有事に関する発言をきっかけに、日本と中国の関係は急速に冷え込み、経済面にも影響が出始めているように見えます。
台湾有事への言及は、日本側としては抑止の意図があったとしても、中国側から見れば「軍事衝突も辞さない」という意思表明と受け取られている可能性があります。見方を変えれば、中国の軍事力を軽視しているようにも映りかねない発言です。


最大の問題は、「正しいことを言えば相手は従う」という発想が、政権やその支持層の一部に見られる点ではないでしょうか。
しかし古来より、国際政治において権力は武力によって担保されてきました。そして中国は核保有国です。


多くの日本人は、中国が日本に対して核兵器を使用することを現実的に想像できないかもしれません。しかし理論上は、その可能性が完全にゼロとは言えません。例えば、米軍や米国民がほとんど存在しない、あるいは少ない地域に対して小規模な核兵器を使用することで、米国に対する牽制(脅し)とするというシナリオも考えられます。
もしそれによって米軍の関与が後退すれば、中国が台湾を占領するハードルは大きく下がるでしょう。




現在の米国大統領は、ノーベル平和賞の受賞を強く意識しているとも言われています。また、米国の相対的な一強体制が揺らぐ中で、中国との直接的な軍事衝突を避けたいという思惑が米国側にある可能性も否定できません。
もちろん、「まだ勝てるうちに相手を叩く」という考え方もあり得ますが、少なくとも米国の意思は以前ほど単純ではなくなっているように見えます。(追記)2026年1月3日に、アメリカはベネゼエラで作戦を展開し、マドゥロ大統領を拘束したとのことです。『中国に台湾進攻の口実を与える』という意見と『中国をけん制している』という意見があります。


こうした状況下で、日銀が利上げを行ったにもかかわらず円安が進んだことは、海外投資家が日本を以前よりリスクの高い投資先と見始めている可能性を示しているのではないでしょうか。その「リスク」の中身には、日本経済そのものだけでなく、日本が有事当事国になり得るという地政学的リスクも含まれていると考えられます。


さらに、政府高官がオフレコで日本の核武装の必要性に言及したという報道もありました。これは、政府内部にも中国の核リスクを現実的なものとして捉えている人がいる、という見方もできます。
中国と真正面から対峙するのであれば、核武装が理論上は必要だという議論が出てくるのも理解はできます。しかし、マスコミが「非核三原則はどうしたのか」と批判するのも当然でしょう。


問題は、こうした報道が対外的にどう受け取られるかです。
中国や他国から見れば、「日本は平和主義を放棄しつつある」と映る可能性があります。さらに中国側にとっては、「日本が核武装を完了する前に叩くべきだ」という動機付けになりかねません。
このような思考が投資家の間でもリスクシナリオとして意識され始めているのではないかと感じています。




実は、円安は通訳ガイドにとっては歓迎すべき側面があります。インバウンド需要が増え、仕事の機会も広がるからです。
しかし、今後さらに地政学リスクが高まり、海外の一般の人々が「日本は危ない国だ」と感じるようになれば、それは通訳ガイドとしても、観光業全体としても大きなマイナスです。


円安そのものよりも、円安を招いている背景が何なのか
そこを冷静に見極める必要があると感じています。




Chat GPTを使って論点整理しました。やり取りはこちらです。


社会の矛盾に物申す

2025-12-22 | コメント:0件

50代半ばのじいさんが、AIを目の当たりにした『大学に入ってから自分の無力感がエグい』という大学生にかけることば

老兵は死なず、AIと踊る


大学入ってから自分の無力感がエグいというXの投稿が話題になっているのですが、要約すると「AIの能力に圧倒されて、自信をなくした自分はどうしたらよいか?」という趣旨の投稿です。
文面を読んだ限りになりますが、この方は正しい感覚を持っているかと思います。
一方で、『この方がどうしたらよいか?』ということについては残念ながら責任を持った回答はできないです。いろいろ言えるでしょうが、この方の将来(つまり向こう50年)にわたってどのように行動すればよいか回答できる人はいないでしょう。
もっとも、何も言えないということでもないので、言えることについて話したいと思います。


1.自身の能力について客観的に見れている


 将来、エンジニアになる為には、このような『無力感』はある意味必要で、これはつまり自分自身を客観的に見つめることができた結果であるとも言えます。当然私もはるか昔に同じように自分の無力感を感じまして『それでもプログラミングが好き』ということで精進してきました。したがって「AIの方が圧倒的に良いコードを書く」、「自分は無力だと感じる」という反応はエンジニアとしてある意味順調な歩みを踏んでいます。


『なぜ無力感が出るのか?』というとこれは脳内にある種の矛盾が起こっているからのようです。
つまり、自分のレベルを客観視したときに、思ったより自分のレベルが低かったということに対して、脳内のある種の自己保護回路が反応して、拒否反応を起こし、このような無力感が出てるのではないか?と推測しています。
これを克服することがエンジニアとしての第一歩かと思います。


つまり勉強するしかないのですが、AIの出力をお手本としてそれを真似るようにしても良いですし、『なぜAIがこのような出力したのか?』考えるのもよいですし、『なぜ○○としたのか?』とAIに質問するのも良いかと思います。


ちなみに、AIが作ったモノという表現がありますが、今の生成AIについていうと『オリジナルの作成者』が存在します。つまりAIは模倣を行っている訳です。つまり一見、AIに丸投げして直ぐに答えが返ってくると思っているモノが、実は先人が苦労して作成したものであるということもできます。AIはそのエッセンスをアレンジしているということになります。


2.その職業に将来性があるのか?


 学生さんで今は勉強中の身なので、AIの出力が洗練されているように見えますが、細かく見れば完璧ではなく、プログラミング一つをとってもまだまだ熟練したエンジニアの方が良いコードが書けます。このあたりは大量生産された即席めんとお店で食べるラーメンとの違いということも言えます。もっとも将来的にこのような棲み分けができるのか?という問題は常にあります。伝統工芸と言えば職業として素晴らしいものと思われるかもしれませんが、実際には大量生産により駆逐された大勢の職人さんがいらっしゃいますし、絶えた伝統技術もあるでしょう。


自身が進もうとしている道が『機械と人間で棲み分けられる』のか『そのまま人間の職業としては絶滅する』かの見極めですが、向こう40年以上、職業として働く可能性がある若者に対しては『自己責任でよく考えてください』としか言えないのが実情です。


以下、ヒントになるかどうかですが、50代のじいさんがあと2,30年生きていく為に考えていることをお話してみます。
最近よく言われている、単なる通訳とか翻訳は『絶滅』の方向に行くように思えます。『通訳ガイド』も一見絶滅するように見えますが、今のところあと10年は持ちそうです。これは通訳ガイドが単なる言葉の通訳だけでなく、その場所のガイドをしたり、旅行のスケジュール管理をしたり、時には雑談相手になったりするところにあります。つまり様々な業務を複合的に行う必要があり、機械が全てを賄うのはもう少し時間がかかりそうです。通訳ガイドの仕事をもう少し説明すると、例えば若い旅行者は頼もうと思わないかもしれません。必要な情報は検索したら出てくるので、ガイドに払うお金は無駄なコストに見えるでしょう。お金に余裕のある人は、お金を払うことは苦にならないでしょう。加えて、『現地の人と交流ができる。』というのは旅の楽しみの一つでもあります。つまり、そもそも通訳ガイドを使うような人は『機械』ではなく『人間』がやるから良い(お金を払う)となります。


プログラミングに関していうと、脱落する人は多いかと思います。そもそもプログラミングと一口に言っても40年前と今では異なる部分が多いです。『Coboler』という言葉が25年程前に流行りましたが、これは当時需要が減ったCobolというプログラミング言語しかできないプログラマを揶揄する言葉ですが、Cobolしかできないプログラマはその時に転職をするか新しい言語を覚えるか?の選択を迫られました。同じようなことが今度は『全てのプログラマ』に突き付けられようとしているかと思います。
『どう作るのはなく何を作るのかを考えれば良い』という考え方もあります。要は今までは作ることに対してお金をもらっていたのだが、これからは自分でお金を生み出すようなものを作ればよい。ということのようです。この考え方ですが、通訳案内士の場合とはちょっと異なるということが分かるかと思います。このあたりにIT技術というある種の合理的な職種が持つ脆弱性が見えます。


一方で、あまり大声では言えませんが、今まで開発者として接してきた顧客の中にはIT技術は無いが長年IT関連で働いている人もいます。その人達はどのようなスキルを持っているのでしょうか?残念ながら私にはわからない世界があるようですが、ある一面ではありますが共通しているのは、下請け会社に対してごねるのが上手いまたは上手くのせて仕事をさせるのが上手い、上司に対してやる気があるように演じる能力に長けている等、その職場に居続ける嗅覚や能力が高い人が多いように思います。


最近やっている私のミッションの一つに『猫カフェの店長』があります。猫カフェ自体は大きくは儲かりませんが収入源にはなっています。当然ですが、人は生きた猫に会いに来るので『ロボット猫の猫カフェ』というのは今のところ成立しないかと思います。『ロボット猫が流行るとそもそも猫カフェに行く人が減るのではないか?』と思われるかと思いますが、うちの猫カフェですが、猫を飼っている人も来ます。猫は一匹、一匹個性があるので、新しい出会いを求めて猫カフェに来る人もいるようです。このあたりの考え方がAI(機械)によって消える職業と消えない職業をかぎ分ける目安になるかもしれません。ちなみに猫カフェを維持するミッションに「部屋や猫トイレの掃除」がありますが、これも今のところ人間しかできないようです。


失敗例を書いておいた方がよいかと思いますので追記します。AI時代のプログラミングスクールとの付き合い方にも書いているのですが、私は学生相手にプログラミングスクールをやろうとして、今はやめた方がよいと思いましてやめました。


3.大学教育について


 課題に対する評価が低いということで、『どうすれば良いのか?』ということになりますが、これは難しい問題です。
そもそも論として、生成AIが出した回答を見抜けない教授達がおかしいのですが、大学の評価が怪しいということは今に始まったことではなく、ある意味「失われた30年」の原因というのは大学にもあるということになります。


 これも昔話になりますが、私は大学時代よく「レポートの書く量が少ない」とコメントをもらっていまして落第ギリギリまたは落第点を食らっていました。ある時、課題とはまったく関係のない話を書いて量を埋めたのですが、このレポートを読んだTAがA判定を付けたのを見て、「あぁ、この大学は通う価値がないな」と実感しまして、後に大学をやめることになりました。当時はバブル崩壊直前で、私が通っていた大学はさながら就職予備校のようなものでした。学生が考えて悩むというよりも、与えられた課題をそつなくこなすという対応が求められました。このように学生に思考停止させて、社会の歯車として養成する機関はやめて正解だったと改めて感じています。


じゃ、「大学に行く価値はないのか?」ということになるのですが、『大学は、企業から新卒採用をとってもらう為の手段』と割り切れるかどうか、さらに『この大学を卒業したらきちんとした企業雇ってもらえるかどうか?』ににかかっているかと思います。


4. 日本の雇用慣行について


日本の雇用慣行、特に年功序列と終身雇用は、AI時代を迎える中で見直されつつあります。若い世代から見直されるのも当然です。終身雇用は労働者に安心感を与える一方、企業にとってはリスクが大きい制度です。1990年代以降のリストラや倒産は、この矛盾が露呈した結果でしょう。経済環境の変化に対応できず、企業は成果を上げながら雇用を維持できなくなり、労働者を非正規化せざるを得ませんでした。これも「失われた30年」の一因となっています。


さらに、AIや自動化が普及する現代では、終身雇用が労働者の成長を阻害する側面も見逃せません。例えば「働かないおじさん」と呼ばれる層は、制度に甘んじてスキルアップを怠る傾向があります。一方、SES(システムエンジニアリングサービス)や保険セールスなど、高ストレス職種では体力や精神力の限界から早期退職を余儀なくされ、非正規雇用へと転落するケースも少なくありません。


今後の課題は、終身雇用と成果主義のバランスをいかに取るかです。AIが人間の仕事を代替する中で、労働者が継続的にスキルを磨ける環境を整える必要があります。同時に、企業は非正規労働者の処遇改善や、リスクを分担する新たな雇用モデルを模索すべきでしょう。2025年現在も黒字企業がリストラを行う状況は、雇用慣行の抜本的な見直しを迫っています。


AIが今後どのように発展するか?日本の経済は今度上向くのか?、あまりにも不透明で私も含めて今の労働者にとって将来を見通すことは無理だといえるでしょう。ということで頑張ってくださいとしかいいようがないのが現状かと思います。


この記事ですが、「若者に寄り添っていない」という指摘を受けまして、プログラミングスクールとの付き合い方ということで若者向けの記事をアップしました。


老兵は死なず、AIと踊る

2025-11-19 | コメント:0件
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