Intel Turbo Boost Max Technology 3.0(ITBM)とは、Broadwell-E以降のハイエンドCPUに搭載された機能で、要するに「さらにブーストする(クロック周波数が上がる)」機能になっている。
Core i7-6950X(Broadwell-E)の場合、従来のブースト(Intel Turbo Boost Technology 2.0)では、3.5GHzまでの最大周波数となるが、3.0になると、1コアのみであるが4.0GHzまでブーストする。下記タスクマネージャの画面では3.88GHzまで周波数が上がっている。
比較で、下記はIntel Turbo Boost Technology 2.0までが有効のちょうど1世代前のCore i7-5960X(Haswell-E)のタスクマネージャの画面。3.47GHzまで周波数が上がっている。
以前、Core i7-6950Xを入手しましたが、Windows11のセットアップを行い、Intel Turbo Boost Max Technology 3.0(ITBM)のドライバーを入れたが、気が付いたらログイン時に起動時にエラーが出るようになった。
「ITBM Driver Not Available
Exiting application」
これは、Intel Turbo Boost Max Technology 3.0のコンソール画面の起動時にでていて、結局コンソール画面は出てこなくなった。
クロック周波数を見てみると、下記のように5960Xレベル(Intel Turbo Boost Technology 2.0)まで周波数が落ちていることが解る。
エラーメッセージで調査をしたのですがエラーメッセージの検索では不具合原因にはたどりつかなかった。長らくそのまま放置していたが、最近分かったのが、どうもハイパバイザーをONにしているとダメらしいことが解った。さらに調査をしていくと、
インテルのサポートページ(ページを見るには登録が必要)を見るとTurbo Boost Max Technology 3.0はサポートしているが、Intel® Turbo Boost Max driver solutionはサポートしていないという一見、良くわからん回答があった。
どうやら、driverは動かないということなので、「ITBM Driver Not Available」との整合性がとれる。
結局、Turbo Boost Max Technology 3.0は動作しないのか?という話になるが、Turbo Boost Max Technology 3.0は以下の2つの機能がある。
(1)全コアに負荷がかかってもブーストクロックまでブーストする
(2)1コアだけ、より高クロックにブーストする。
で、どうやらハイパバイザー環境では(1)は有効となるが、(2)が無効になるらしい
ということで、試しにCinebenchで全コアに負荷をかけてみたが、確かに約3.5GHzまで動作した。ちなみにCore i7-5960Xの場合、全コアに負荷をかけると3.3GHzまで周波数が落ちた。
6950Xと5960Xを比べると、ハイパバイザーを使うならコア数が多くさらに最大メモリ搭載量が倍の6950Xが良いが、Turbo Boost Max Technology 3.0の機能に制限が加わるのは痛い。悩ましいところである。
追記:
Vtuneを使おうとするとハイパバイザーを止めなければならず、結局、6950Xのマシンと5960Xのマシンのメモリを入れ替えて5960Xの方をハイパバイザーを使うように変えた。