[ADP開発日誌]あるITエンジニアのコミュニケーション能力 について2011

以前からSourceForge.JPさんで、ドキュメント執筆者とテスト担当者を募集しているのですが、残念ながら良い人が来なくて、自己顕示欲の強いというか思い込みの激しい人が来て手間ばかりかかって結局ご遠慮頂きましたということでそのレポートを。
 
こんなことはわざわざ書かなくてもよいかとも思いますが、こちらもドキュメントを書いて欲しいため、チャットまでして説明した手間もありせっかくなのでネタにしたいというのもありますし、また変な人がこられても困るのでその予防線と、一応開発日誌と銘打っているブログなのでこういうマイナスなことも隠さずに書くのも面白いかと思ったので書いてみます。
 
その方(以下Aさんとします)は、某大手のIT企業に勤めているらしいのですが(わざわざご自身で大手IT企業と言ってしまうところはどうかと思ったのですが)、ご自身でもプログラミング言語を作成しているとのことで互いに勉強にもなるかとも思いました。
 
何回かメールでのやり取りで、簡単な自己紹介、技術概要、開発方針、ドキュメント作成のポイント等を説明し、チャットでさらに補足説明をしました。
で、ドキュメント作成を行わなければならないのですが、Aさんは片手間にしか参加できないとのことで、レビューをやってもらおうとその旨をお伝えしたところ、Aさんから
 
『後、気になっているのは(もしもですが)参加者がたくさん増えたときに大藤さんの心構えが実はできているか?です。』
 
とのコメントを頂きました。私はオープンソースに対する心構ができていないとのことなのですが、そもそも『心構え』ということが理解できなくて、真意を確かめることも含めてまずは今回はご遠慮いただく旨のメールを送りました。そうすると、
 
『確かにメール受け取りました。想定通りの回答です。』
で始まり、
『僕はオープンソースに上げてみようと思ったときに果たして他の人に触らせたり、色々言わせたりできるだろうかと言う質問を自分にしました。』
と来て、
『話をしていて、大藤さんはまだノーの様な気はしていたんです。』
『色々な人の意見を採り入れたいと言っていたが、まだその時期ではないのではと。』
 
と結論付けておられました。どう突っ込んだらよいのか困ったのですが、まぁ今回はご遠慮いただいてよかったかと思いました。
Aさんの勘違いを指摘しますと、私はADPをGPLで配布していますが、これは利用者が好き勝手にできることを私が認めたことになります。つまり、
『他の人に触らせること』
については私もライセンス上認めております。AさんはGPLをご存知ないのでしょうか。
また、『色々言われること』についてですが、実際にSkypeでAさんとチャットしているときも『Prologが解らない人向けのドキュメント作りを』と指摘されそりゃもっともだと思ったでのでSourceForgeのチケットにも登録しました。
もちろんですが、人の意見を聞きたいといっても、必然的に他の方の意見を取り入れる面と取り入れない面があります。その取捨選択はアーキテクトである私の仕事だと思っています。
もっともADPはプログラミングの初心者を対象としています。ので初心者の方の意見というは極力尊重したいです。ちなみにですが、PHPのようなお手軽な言語を目指しています。のでご意見どしどし受け付けています。
 
自分自身の若かりしころの反省も含めてITエンジニアの方にコメントしますと、他人とのコミュニケーションをとる上で相手の内面についての不用意な否定はやめた方がよろしいかと思います。Aさんは私に心構えという単語を使いましたが、根本的にオープンソースのプロジェクトをやろう!、という人間が心構えができていないことは、ほぼないです。
本当に心構えができていなくかつ教育が必要な新人を除いて、このような単語を使うことは相手を怒らせるくらいしかできません。もしくは相手から『こいつはコミュニケーション能力がない』と思われるでしょう。
これは仕事の面でもいえるかと思います。大手のIT企業に勤めていたら、出来の悪い協力会社の担当者に向かって思わず『やる気があるのか?』等、同様のことを言ってしまうこともあるかもしれませんが、そう思ったときはじっとこらえて『なぜ、私はこの人がやる気がないと感じたのか?』とじっくり自問自答しましょう。そのときに根拠となる理由が1つでは足りないですし、またその理由が思い込みではないと、確認する必要があります。
『僕はオープンソースに上げてみようと思ったときに果たして他の人に触らせたり、色々言わせたりできるだろうかと言う質問を自分にしました。』
『話をしていて、大藤さんはまだノーの様な気はしていたんです。』
私の話のどこにそう思ったのか不明ですが、私がソースをオープンにし、GPLでリリースした時点で、ノーということはありえません。このように多角的な検証が必要です。
 
相手を批判する場合(相手の内面の場合は特に)、思い込みで論理を展開しないで自分の考えを吟味する必要があります。さらに、相手の置かれている立場や考え方も考慮に入れましょう。
  
私も若かりしころ上司から、『口のきき方が悪い』と怒られたりしたことがありましたが、そのときは何で怒られたかよく解っていませんでしたが、おそらくAさんのように思い込みが激しかったのかもしれません。
最近では、あまりこういう面で他人から指摘を受けることもなくなっていましたが、今度は自分が指摘をする番になったようです。
2011-05-06 | コメント:5件
トゥイーより
2011-05-25 20:06:33
コミュニケーション能力が不足していると言われている当人です。
当時はまことに申し訳なかったです。自分の過ちを認めております。

反省している旨をあれ以上、メールで返信しても、既に決裂したわけですから仕方が無い上に、相手の時間をこれ以上割いてしまうのは悪いと思い、あれ以上の返信はしませんでした。
しかし、ここ最近の勉強を経て考えを改めました。

過ちを僕自身は受け入れる必要がありますし、何より僕がとった行動は今後の ADP の活動の支障になるかもしれません。
ガードは必要だとは思いますが、不必要に強すぎるガードはコミュニティの成長を妨げるかもしれません。
将来的には Ruby を超える(誇張しすぎでしょうか?)言語にしたいという意気込みと聞いていますから、その障害にこれ以上なりたくはありません。

そのためなぜ僕が上記のように感じたのか?ということを念のため伝えて置きたいと思います。
大藤さん(著者に名前書いてあるので書いて大丈夫ですよね?)の今後の ADP の活動に役立てるためにです。
また、これは僕自身が過ちを理解し成長するためのものでもあります。
後者は大藤さんにとって何の意味も無いかもしれませんが、前者は少しの足しにでもなればと思います。

ドキュメントの作成ということでプロジェクトに参加しようと思ったのに、なぜか「レビューを任された」というのを極度に気にしたということが背景にあります。
チャットやメールでコミュニケーションをとらせて頂きましたが「ドキュメントを書いて欲しい」という依頼しに対して、本当はドキュメントをあまり書いて欲しいと思って無さそうだと感じてしまったのです。
自分で全てを書きたい!依頼したけど、本当は全部自分で書きたい!触ってほしくない!そう感じてしまったのです。
これは大藤さんが指摘の通り、思い込みの激しい僕の勝手な推測であり、きっとそんなことはないのでしょうが、当時、僕はそう受け取ってしまったのです。

勝手な推測をしてしまったこともそうですし、どうしてそう思ったのかを全く説明せずにいきなり批判的な発言をした僕の行動は非常に問題な行動だったと反省しています。

色々な背景の人がいます。中には僕のような変な人が居るでしょうが、そういう人ばかりではないはずです。
ADP がこれから大きく成長していくに当たり、僕のような人がコミュニティに加われないのは仕方ないとして、これから多くの人がプロジェクトに参加し、大きく成長できるようなものになっていくことを心より期待しています。
katsuhisaより
2011-05-25 21:48:36
わざわざご本人がコメントしてもらえるとは思いませんでした。
まぁ、反省しているとのことで、であればこの記事は削除しようかとも思ったのですが、せっかくなのでこのまま掲載させて頂ければと思います。

ドキュメントの件ですが、結果的には私が執筆してよかったかと思っています。何故かといいますとドキュメントを書いている途中で仕様が悪いということに気づきプログラムを修正することが多数ありました。
実際にVer0.69以降はそのような形での修正が入っています。ので当面は『開発者の責任』としてドキュメント書きも行っていきます。
ちなみに先ほど記事にアップしましたが、他にもADPを使ったりして、そのフィードバックも入れたりしています。

なぜ、私が『一人で書きたい』と思ったのか疑問なんですが、私はドキュメント書きが大嫌いです。だから人に手伝ってもらおうと思ったのですが、逆に大変ということも知っているので手伝ってもらうにしてもバランスを考えて、今回はレビューをしてもらおうと思いました。いきなりソースを読んでドキュメントを書くより、書いてあるドキュメントとソースを照らし合わせた方がやり易かろうとおもったからですが、まぁ私の書き方が悪かったのでしょう。
それでですが、私も今後に生かしたいのでどの辺でそのような事をお感じになったのか、もう少し具体的に教えて頂ければうれしかったりします。
先のコメントですと具体的なことがいまひとつ分かりません。
トゥイーより
2011-05-26 20:17:34
お返事ありがとうございます。

返信頂けるか、もしくは削除されることも予期していましたが、幸運にも返信を貰えたようで何よりです。
お互いの利益になる範囲で意見を交わせればと思っています。
また、このような事態は他でも起きているでしょうから、一つの事例として他の方の参考にもなればと個人的には思っています。

当時はもちろん思い込みというか直感的判断だったので、当時の情報を振り返った上で具体的に2点挙げます。

1.最初に大きく持ち上げられすぎたということ。
(最初のメール:ブログ等拝見しました。かなりの兵とお見受けしました。)
2.結局、ドキュメントの直接的な依頼は無くコメントおよびレビューしか求められなかったこと。
(メール:コメント等(できればレビュー)頂ければと思います。 and レビューなんぞをしていただければと思います。)

上記から「期待されている?いや、いない。なぜ?」→「そもそも参加されることを嫌がっている?」と推測したのだと振り返ります。
これは僕が子供の部分であり、会ってすぐのことですから大藤さんからこのような発言を期待するのは土台無理な話だったのですが、当時、僕が期待してしまっていたのは「ドキュメントのこの部分を君に任せたい!」といった言葉だったのだと思います。
それが全く無かったために反発したのでしょう。
スカイプも読み返したのですが、やはりドキュメントを書いて欲しいとは言われていません…。

スカイプではメールとは異なりかなりラフに会話をしてしまったのもあり、恐らく大藤さんは僕を軽い人間だと思ったのではないかと思います(実際軽いですが…)。
恐らくそれも「任せられるか?いや、危険かも…」という疑念を誘ってしまった可能性はあると思っています。

ちなみに所属を明かしたのは、最初に大藤さんの現状を僕がスカイプで聞いた後に、生活スタイルにギャップがあることを言っておかなければと思ったからです。
現状の僕は、どうがんばっても平日夜もしくは休日に趣味という形でしか作業には関われないのです。
そう率直に言えば良かったんですが、ノリが軽すぎた僕が悪かったと思っています。
本来伝えたい意図は伝わらず、別の何かが伝わったようですね。

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ちなみに今回なぜこうしてコメントを書くことにしたかというと以下の2点があります。

1.最近読んだ本の中に失敗をたくさんして、そこから学ぼうという内容のものがあったこと。

この問題を放置せずに学ぼうと、大藤さんにももし何か渡せるものがあるなら渡そうと思ったのが一つです。

2.とあるメーリングリストでプロジェクトの引継ぎ者募集で厳しく判断をしているところを見たこと。

今回はプロジェクトの引継ぎではなく、あくまで参加ですが、実際、参加者のスキル判断は大切なのだと思います。
大藤さんは最初ブログだけで判断してくれましたが、それは幸運だったのかもしれません。
最終的には僕のコミュニケーション能力の欠如によって破談となりましたが、その間 ADP の思想について触れることができました。
これは幸運だったのかも知れません。
スキルを問われ、詳細にたどり着く前に排除されることもあったわけですから。
そして、最後には僕を排除するという、すばやく適切な大藤さんの判断力も見させてもらうことができました。

ちなみに今、僕のプロジェクトに一人入ってきましたが、数週間うんともすんとも言いません。
できたら僕は意見交換をしたいと粘ってしまっています…。大藤さんのような素早い判断ができかねています。
プロジェクトに人を適切に入れることよりも、プロジェクトから人を適切に出すことの方が難しくまた重要だと思ってはいるのですけどね…。
katsuhisaより
2011-05-29 16:16:06
コメントありがとうございます。
読みましたが、忙しいかったのとどう返信しよう悩んでいましたが、お礼が送れるとよろしくないと思いましたので、返信します。

結果として、トゥイーさんのプライドを傷つけてしまったようでしてこれに関しては失礼しました。今後の参考にしたいと思います。

募集に際してのスタンスについてですが、当初私は以下のように考えていました。

(1)C++が読めること
(2)文書作成が出来ること
(3)その他は求めない

そういう意味では、トゥイーさんはマッチしていましたので、ご参加いただいたのですが、だた、これはある意味試用期間のようなものでした。この点については私の説明不足だった面もありますが、時間をかけてお互いの人となりや技術力が分かったところで続けるか辞めるか決めればよいと思っていました。
なので、

>当時、僕が期待してしまっていたのは「ドキュメントのこの部分を君に任せたい!」といった言葉だったのだと思います。

というお気持ちでご応募されたのしたら恐らく最初からお断りしていたかもしれません(誤解の無いように補足しますとメンバーのモチベーションを上げることは、上の者の仕事ということは理解していますが、最初から過剰な期待をかけるのは私のポリシーに反します。まずは実力を見てから相当な評価をしたいと思っております)。

2,3通のメールや1時間程度のチャットでお互いの技術的なレベルや人間性が分かる訳がありません。また、私はトゥイーさんについては当初から、
・思い込みが激しそう
・プライドが高そう
と思っておりましたが、それは特に問題視していませんでした。が、これについては私の認識が甘かったようです。
>『参加者がたくさん増えたときに大藤さんの心構えが実はできているか?です。』
のメールをもらった時に私の間違いに気づきまして、さらにその答えがメールに入っていました。
つまり、ご自身の不満を他者を非難することで解消しようとされますと、参加者が増えたときに揉める元となります。これはチームの雰囲気を悪くするのでかなり問題ありと判断させて頂きました。
今現在なら私が少し我慢すればよいかもしれません。ただ、私は今までそのような傲慢な上司や先輩に苦しめられた過去もあり、嫌な思いをしてきました。もちろん私自身も協力会社の方や後輩に同様なことをした面もあるでしょう。そうであれば私のプロジェクトのメンバーには最低限のマナーが分かっている人を入れようと思い、基準を

(1)C++が読めること
(2)文書作成が出来ること
(3)人との繋がりを大切に出来る人

と改定しました。でこのブログの記事になります。誤解の無いように言いますと簡単に排除したわけではなくそれなりに悩んだのと、私自身の勘違いにも気づいたので出来るだけ早く対応を行った次第です(タイミングを誤りずるずるいくのは避けた次第です)。


以下、恐らく私の意見を聞きたいのだと仮定してコメントします。

>できたら僕は意見交換をしたいと粘ってしまっています…。大藤さんのような素早い判断ができかねています。

あくまでも私とのやりとりでの感想ですが、文章に意図が分からないところがありますので、本音の部分をストレートに伝えれば円滑にコミュニケーションが取れるかと思います。
例えば、↑のコメント自体も行間を読まないと、私に何かコメントして欲しいという意図がきちんと伝わりませんし、そうで無い場合はもう少しご自身の感想であることを強調して頂くとこちらも楽だったりします。質問をするにしてもきちんと的を絞って相手があまり考えないように(本当に考えて欲しい課題のみ考えられるように)工夫してみては如何でしょうか?
文章を書くことも高度な作業で誰にでもできることではありません。のでお相手の人が文章が不得意ということであれば会って話しをするのも手だと思います。
トゥイーより
2011-05-31 22:27:42
色々とお手数おかけしました。

ちゃんと判断されているのはわかってますよ。大丈夫です。しかも、それが素早いのが実は素晴らしいのです。

また、最後まとめてもらいありがとうございます。

では。

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