以前からSourceForge.JPさんで、ドキュメント執筆者とテスト担当者を募集しているのですが、残念ながら良い人が来なくて、自己顕示欲の強いというか思い込みの激しい人が来て手間ばかりかかって結局ご遠慮頂きましたということでそのレポートを。
こんなことはわざわざ書かなくてもよいかとも思いますが、こちらもドキュメントを書いて欲しいため、チャットまでして説明した手間もありせっかくなのでネタにしたいというのもありますし、また変な人がこられても困るのでその予防線と、一応開発日誌と銘打っているブログなのでこういうマイナスなことも隠さずに書くのも面白いかと思ったので書いてみます。
その方(以下Aさんとします)は、某大手のIT企業に勤めているらしいのですが(わざわざご自身で大手IT企業と言ってしまうところはどうかと思ったのですが)、ご自身でもプログラミング言語を作成しているとのことで互いに勉強にもなるかとも思いました。
何回かメールでのやり取りで、簡単な自己紹介、技術概要、開発方針、ドキュメント作成のポイント等を説明し、チャットでさらに補足説明をしました。
で、ドキュメント作成を行わなければならないのですが、Aさんは片手間にしか参加できないとのことで、レビューをやってもらおうとその旨をお伝えしたところ、Aさんから
『後、気になっているのは(もしもですが)参加者がたくさん増えたときに大藤さんの心構えが実はできているか?です。』
とのコメントを頂きました。私はオープンソースに対する心構ができていないとのことなのですが、そもそも『心構え』ということが理解できなくて、真意を確かめることも含めてまずは今回はご遠慮いただく旨のメールを送りました。そうすると、
『確かにメール受け取りました。想定通りの回答です。』
で始まり、
『僕はオープンソースに上げてみようと思ったときに果たして他の人に触らせたり、色々言わせたりできるだろうかと言う質問を自分にしました。』
と来て、
『話をしていて、大藤さんはまだノーの様な気はしていたんです。』
『色々な人の意見を採り入れたいと言っていたが、まだその時期ではないのではと。』
と結論付けておられました。どう突っ込んだらよいのか困ったのですが、まぁ今回はご遠慮いただいてよかったかと思いました。
Aさんの勘違いを指摘しますと、私はADPをGPLで配布していますが、これは利用者が好き勝手にできることを私が認めたことになります。つまり、
『他の人に触らせること』
については私もライセンス上認めております。AさんはGPLをご存知ないのでしょうか。
また、『色々言われること』についてですが、実際にSkypeでAさんとチャットしているときも『Prologが解らない人向けのドキュメント作りを』と指摘されそりゃもっともだと思ったでのでSourceForgeのチケットにも登録しました。
もちろんですが、人の意見を聞きたいといっても、必然的に他の方の意見を取り入れる面と取り入れない面があります。その取捨選択はアーキテクトである私の仕事だと思っています。
もっともADPはプログラミングの初心者を対象としています。ので初心者の方の意見というは極力尊重したいです。ちなみにですが、PHPのようなお手軽な言語を目指しています。のでご意見どしどし受け付けています。
自分自身の若かりしころの反省も含めてITエンジニアの方にコメントしますと、他人とのコミュニケーションをとる上で相手の内面についての不用意な否定はやめた方がよろしいかと思います。Aさんは私に心構えという単語を使いましたが、根本的にオープンソースのプロジェクトをやろう!、という人間が心構えができていないことは、ほぼないです。
本当に心構えができていなくかつ教育が必要な新人を除いて、このような単語を使うことは相手を怒らせるくらいしかできません。もしくは相手から『こいつはコミュニケーション能力がない』と思われるでしょう。
これは仕事の面でもいえるかと思います。大手のIT企業に勤めていたら、出来の悪い協力会社の担当者に向かって思わず『やる気があるのか?』等、同様のことを言ってしまうこともあるかもしれませんが、そう思ったときはじっとこらえて『なぜ、私はこの人がやる気がないと感じたのか?』とじっくり自問自答しましょう。そのときに根拠となる理由が1つでは足りないですし、またその理由が思い込みではないと、確認する必要があります。
『僕はオープンソースに上げてみようと思ったときに果たして他の人に触らせたり、色々言わせたりできるだろうかと言う質問を自分にしました。』
『話をしていて、大藤さんはまだノーの様な気はしていたんです。』
私の話のどこにそう思ったのか不明ですが、私がソースをオープンにし、GPLでリリースした時点で、ノーということはありえません。このように多角的な検証が必要です。
相手を批判する場合(相手の内面の場合は特に)、思い込みで論理を展開しないで自分の考えを吟味する必要があります。さらに、相手の置かれている立場や考え方も考慮に入れましょう。
私も若かりしころ上司から、『口のきき方が悪い』と怒られたりしたことがありましたが、そのときは何で怒られたかよく解っていませんでしたが、おそらくAさんのように思い込みが激しかったのかもしれません。
最近では、あまりこういう面で他人から指摘を受けることもなくなっていましたが、今度は自分が指摘をする番になったようです。
2011-05-25 20:06:33
コミュニケーション能力が不足していると言われている当人です。
当時はまことに申し訳なかったです。自分の過ちを認めております。
反省している旨をあれ以上、メールで返信しても、既に決裂したわけですから仕方が無い上に、相手の時間をこれ以上割いてしまうのは悪いと思い、あれ以上の返信はしませんでした。
しかし、ここ最近の勉強を経て考えを改めました。
過ちを僕自身は受け入れる必要がありますし、何より僕がとった行動は今後の ADP の活動の支障になるかもしれません。
ガードは必要だとは思いますが、不必要に強すぎるガードはコミュニティの成長を妨げるかもしれません。
将来的には Ruby を超える(誇張しすぎでしょうか?)言語にしたいという意気込みと聞いていますから、その障害にこれ以上なりたくはありません。
そのためなぜ僕が上記のように感じたのか?ということを念のため伝えて置きたいと思います。
大藤さん(著者に名前書いてあるので書いて大丈夫ですよね?)の今後の ADP の活動に役立てるためにです。
また、これは僕自身が過ちを理解し成長するためのものでもあります。
後者は大藤さんにとって何の意味も無いかもしれませんが、前者は少しの足しにでもなればと思います。
ドキュメントの作成ということでプロジェクトに参加しようと思ったのに、なぜか「レビューを任された」というのを極度に気にしたということが背景にあります。
チャットやメールでコミュニケーションをとらせて頂きましたが「ドキュメントを書いて欲しい」という依頼しに対して、本当はドキュメントをあまり書いて欲しいと思って無さそうだと感じてしまったのです。
自分で全てを書きたい!依頼したけど、本当は全部自分で書きたい!触ってほしくない!そう感じてしまったのです。
これは大藤さんが指摘の通り、思い込みの激しい僕の勝手な推測であり、きっとそんなことはないのでしょうが、当時、僕はそう受け取ってしまったのです。
勝手な推測をしてしまったこともそうですし、どうしてそう思ったのかを全く説明せずにいきなり批判的な発言をした僕の行動は非常に問題な行動だったと反省しています。
色々な背景の人がいます。中には僕のような変な人が居るでしょうが、そういう人ばかりではないはずです。
ADP がこれから大きく成長していくに当たり、僕のような人がコミュニティに加われないのは仕方ないとして、これから多くの人がプロジェクトに参加し、大きく成長できるようなものになっていくことを心より期待しています。