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経済対策が上手くいかない一つの理由(現場から)

日本経済は、政府が定期的に経済対策を打っているにもかかわらず、長期的な低迷から抜け出せていません。
私自身、労働者としての人生を通して、その「横ばい」をずっと体感してきました。


それは、
・補助金が「現場を助ける仕組み」ではなく「組織を回すための仕事」になってしまっている
・補助金を扱う側にリスクがなく、受け取る側にだけリスクが集中している
など、使い方が「現場向きでない」ということに問題があるかと思います。


上記問題点について、過去の経験から考察したいです。
ちなみに、コロナ禍の補助金についてですが私も受給しましたし助かったことは事実であることを申し上げます。
その後、いくつか補助金の申請等を行いましたが、結果として助かった補助金は「直接的な金銭支援」になります。
現在、補助金は受け取っていませんが、コロナ禍も過去のものとなりインバウンド需要も復活したので補助金なしでも大丈夫となりました。こういう意味(補助金に頼らなくなる)でも持続化給付金や雇用調整助成金は大変助かりました。


一方で、違和感を持つ補助金もありました。


・IT関連の補助金で、半額で会計ソフトが購入できるということで買おうを思ったら、面倒な手続きをやった挙句に、会計ソフト単独では買えずに、使うかどうかもわからないサポートが付与されて、結局、ほぼ定価で買う金額提示をされた。
→もちろんキャンセルした。


・とある期間、使用目的が決まってたプロジェクト系の補助金で、イベントを行う為に利用したが、コロナ禍が長引いたので延長申請をしたら却下された。
→補助金は要りませんということで中止申請をしたところ、延長が認められるようになった。『延長すればいいんですね』と上から目線で言われたので「もう要らないです」と言ったらそれは都合が悪いらしく最後は『頼むから延長してくれ』になった。とある経済団体が事務局をやっていたが審査がずさんで閉口した。


・とある旅行系の補助金(旅行者が割引の恩恵を受ける)で、こちらもなぜか実施要項が細かく決まっており、補助金の申請の段階で『これは却下です』と言われて補助金を受け取れなかった。旅行者には割引で旅行をしているが追加の料金負担をお願いできるわけもなく、こちらが被った。ここまでならこちらの落ち度ということも理解できるが、次の旅行の時に事務局に詳細を確認したところ、『それはできない』と言われた。リスクを旅行会社が受ける補助金ってなんの為の補助金か理解に苦しむ。ちなみに事務局は各都道府県にあり大手の旅行会社からの出向で行われていた。つまり大手旅行会社への補助金かと勘ぐってしまいます。


・とある旅行系の補助金(旅行者が割引の恩恵を受ける)で、クーポン券の発送(宅急便)が間に合わず、離島まで運ぶというアルバイトをした。ちなみに数人で離島へ行ったが旅費が数十万かかったかと思うが配布したクーポン券は3冊だった。意義はあったかもしれないが宅急便なら1万円でおつりがくるクーポン券の発送をわざわざ数十万の旅費をかけてやることかと思う。これは1か所の旅費であるので全体では膨大な費用が発生したかと思う。


・ITプロジェクト等は失敗がつきものなので成果が出ないのは仕方ない面があるが、会社員時代は上司が『○○のお金をぶんどる』という意識でやっていた。後にその会社は辞めた。


という経験がありました。とくに『一部の企業に恩恵がある』や『補助金をとりに行く体質』を鑑みるに、現在の補正予算が大規模になっていく理由として合点が行きます。
つまり、補助金が「補助」ではなく、事実上の定期給付になってしまえば、事業者は自立できず、経済も回りません。
この構造そのものが、現在の日本経済の停滞を長引かせている一因ではないかと感じています。

2025-12-25 | コメント:0件

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