Previous Page | Next Page

オブジェクト指向おじさん?

 私の盟友(?)ことみながわさんの日記が更新されたので覗いてみた。2016年1月29日の記事によると、とあるWEBの記事「staticおじさん」はなぜ自信満々なのかというのが目につく。
この手の記事に対しての警鐘は以前にも行ったのだが、未だにこういう煽り記事が出てくるということは出版業界はよっぽど不景気なのか?と邪推したくなる。
アメリカに留学して習った単語にobjectiveというのがあり日本語訳は客観的で、反対語はsubjective(主観的)になります。論文を書くときは客観的であれといわれます。といっても何が主観で何が客観か分からないでしょう。本当かウソか分かりませんがアメリカではこのobjectiveということを子供の頃から教わるらしいです。もっとも子供の頃にそんなことを習ったことのない日本人は文章を読むときに、何が主観的か客観的かが判断がつかないこともあるでしょう。ちなみに何の説明もなしに『普通はこうだ』とか、他にも記事を読んで『俺の意見を代弁していてくれる』と思ったら、その記事は主観的である可能性があります(主観的の定義に従えば自明ですよね)。

さて、元の記事にあるこの部分
 Javaでメソッドを呼び出すときにはクラスからインスタンスを生成してインスタンスのメソッドを呼び出すのが普通です。一方、staticメソッドはインスタンスを生成しなくてもクラスから直接呼び出せます。このため、オブジェクト指向プログラミングを理解していない古いタイプのプログラマは、Javaでもstaticメソッドを多用します。これを揶揄して「staticおじさん」と呼ぶのです。
これは、

インスタンスメソッドを使う→普通
staticメソッドを多用する→プログラマがオブジェクト指向を理解していない可能性あり

と読み取れます。思わず普通ってなんやねん?と突っ込みたくなるのですが、
そろそろこのインスタンスメソッドを使うのが普通という誤謬を解きたいのですが、staticメソッドは場合によっては推奨されています。
期待するコードを期待するように書こうという本から引用させていただくと
クラスのメンバへのアクセスを制限するもう一つの方法は、メソッドを出来るだけstatic にすることだ
このReadable codeという本は私は英語版を購入したのですがそこでも同様のことが書かれています。


また、英語が読める人は、static methodで検索をかければいろいろ議論を見ることができます。たとえば以下のQAたち
https://www.quora.com/Why-is-using-statics-Static-method-block-variable-in-Java-programming-bad-programming http://programmers.stackexchange.com/questions/98083/cant-i-just-use-all-static-methods
ここでは、インスタンスメソッドを使うのが普通とか訳のわからん理由ではなくきちんと事実に則って議論がされています。
事実(fact)に則って議論するということは客観的(objective)な議論ができているということになるでしょう。

ざっくりとまとめますと、staticメソッドを使うと

欠点:継承ができなくなる。ポリモーフィズムも使えなくなる。
利点:メンバー変数へのアクセスを制限できる。パフォーマンスが上がる。

ということです。他のものは自明として、利点のところで『パフォーマンスが上がる』かは検証の必要があるのですが、ポリモーフィズムはオーバヘッドを発生させるのでそれを使わなければパフォーマンスがあがる可能性はあります。
また欠点の中で、『ややこしくなる』という意見もあったのですが、これは主観的な意見でしょう。たとえばstaticメソッドを使いなれた人はむしろすっきりとすると考るかもしれません。

さて、継承もポリモーフィズムも使わないということであれば、staticメソッドを使ってもよいということになるのですが、この反論として、『オブジェクト指向でなくなる』というのがあります。もはや手段と目的が混同されているとしか言いようがない意見でいやはや疲れます。
まぁ一介の無名なエンジニアが何をいっても仕方がないのでもっと説得力のある例を出しましょう。
επιστημη さんという著名なライターさんがいらっしゃいますが、彼は思い切りstatic メソッドを使っておられます。
http://blogs.wankuma.com/episteme/archive/2012/12/28/310396.aspx のコードのrefereeクラスがそれに当たります。refereeクラスには3つのメソッドがありますが、すべてstaticメソッドになっています。
つまり、事実としてstaticメソッドは使うときは使うのです。ちなみにもちろんですが、επιστημη さんがオブジェクト指向を理解していないということはないでしょう。

という訳で、
 ただ、現実に年齢を重ねると、どうしても守りに入りがちなのは事実です。「自分はstaticおじさんなのではないか」という問いは、常に忘れてはならないのでしょう。
というヒマがあったら自身が思わぬ誤謬をしていないか記事の検証を行うことを勧めます。

2/4追記
 コメント欄で文意を汲み取っていないという指摘を受けましたが、まぁ充分文意を汲み取って反論をしているのですがどうも分かりづらいかもしれないので、補足します。

 ただ、現実に年齢を重ねると、どうしても守りに入りがちなのは事実です。「自分はstaticおじさんなのではないか」という問いは、常に忘れてはならないのでしょう。

こういう教示的な文章は一見ごもっとなことのように受け取れますが、冷静に読めば分かりますとおり、ど素人でも同様のアドバイスができるでしょう(例を出すとサッカーや野球観戦をしているおっさんが野次っているさまと同じと言えば納得できるでしょうか?)。
社会人としては自分を律したり反省することは歳をとろうが若かろうが、技術者であろうがなかろうが、常に必要でいちいちアマチュアに指摘されることではないです。

そうはいっても100歩譲って、プログラミングに携わるプロが
『(引用先の記事に書かれてるニュアンスでの)自分はstaticおじさんではないか?』
と自問するということはどういうことでしょうか?
つまり、『staticは使えるのか?使えないのか?』という正に私がここで行っている議論をすることです。
そしてまさに

インスタンスメソッドを使う→普通
staticメソッドを多用する→プログラマがオブジェクト指向を理解していない可能性あり

こういう意見が20年前はともかく今となっては偏見に基づく誤謬でしかないということを認識することが重要だと言いたいわけです。プロなら気づきましょうということと、素人なら知ったかぶりをするのはやめましょう、という話です。
2016-01-31 | コメント:61件

STAP and Sleep

去年あたりから忙しくなり、我が人生で4回目の炎上プロジェクトを絶賛体験中のところですっかり更新がご無沙汰になりましたが、少し余裕が出てきたところへ考えさせられるニュースが入ってきたので書いてみます。ちなみに、こういうニュースを聞くたびに、日本は衰退に向かっている、と感じてしまします。がそれは私だけでしょうか?

STAP細胞のニュースについて、経緯をざっくり説明しますと、iPS細胞に似た性質を持つSTAP細胞(STAP幹細胞)を理化学研究所の小保方氏らが作成に成功したと科学雑誌ネーチャーに1月30日に発表したのですが、その後、相次いで論文に対して疑義が出され理研が調査を行うことになりましたが、その後も色々な疑惑が出てきて、共同研究者の若山教授が撤回を呼びかけ、昨日(3月14日)に理化学研究所が中間報告を行いました。

同時に会見もありまして、その内容の一部が以下から見られます。

STAP細胞:会見(1)「論文の作成の過程に重大な過誤」野依理事長
STAP細胞:会見(2)「論文としてもはや存在すべきではない」竹市センター長

『論文の取り下げを視野に入れて検討する』というらしいですが、どこかのブログとは違って、論文の取り下げというのは研究を白紙にするということで大変不名誉なことで、それだけのことが論文の執筆過程で行われたということのようです。
まだ中間発表なので『STAP細胞は存在するのか?』とか『論文は捏造なのか?』といったことは今後の調査を待つことになりますが、インタビューで気になったのは責任者が他人事と受け取れるような発言をしたことにあります。

STAP論文:「切り張りダメとは…」小保方さん謝罪によりますと、事件に対して

『似たようなことが起こっているのであれば、時代のなせる業、カルチャーが変わったなと非常に心配している』

と発言されたのですが、仮にもマネジメント側の人間の発言としては、疑問を持たざるを得ないです。
世の中、信じられないことをする人は昔からいます。私の半径3メール以内の経験では、約15年ほど前になりますが当時の上司が顧客とのミーティング中に居眠りをしてました。
当時プロジェクトリーダーであった私はそれが理解不能で上司の足を蹴って起こし、ミーティングが終わってから叱責し、その後、続けて居眠りしたので、上の上司に話してプロジェクトから追い出しました。
もちろん、ここまでする必要はないかもしれませんが、人の上に立つ者としてはカルチャーのせいにしないで、きちんと対応をとるべきでしょう。というかこのような事態になった時点で『教育を徹底する』とかではなくまずはご自身の監督不行き届きを反省すべきだと思ってしまいます。そんなことだから、こういった声に耳を貸せないのか?と疑問に思ってしまいます。
実は、STAP細胞は存在しないと主張されている人が理研内部にいらっしゃるようです。ブログによるときちんと報告したにも関わらず政治的な力によりもみ消されたようです。もちろん私は専門家ではないので真偽を判断することはできませんが、理研にはこのブログの真偽に対してコメントしてほしいものです。

とかなり息巻いてコメントしましたが、まぁ歳をとると人は丸くなっていくもので、私の半径3メールの経験では、私自身が今となっては客先で居眠りしている人をみたとしても何とも思わなくなり、せいぜい飲み会のネタにするぐらいとなってしまったので、あまり人のことは言えないかもしれません。もっとも『居眠りできて天国です。』とか言われるとプロジェクトから追い出すかもしれません。

いずれにしても人の上に立つ人はきちんと人を見る目を養わないとダメということを思い知らされた事件です。
2014-03-15 | コメント:0件

目力

さらにネタがなくなってきたのですが、以前撮った写真から

みみですが、餌をねだる時の目力が半端ないです。


食べ過ぎなのでダイエットをしないとダメなのですが、粘ること10分、結局おかわりにありつけました。


ちなみに、間違えてフラッシュをたいてこんなんがとれました。目力強し!
2013-09-24 | コメント:0件

ネコの矜持

だんだんネタがなくなってきたのですが、以前撮った写真から

みみですが、ネコとしての誇りは何処へやら、大胆な姿で寝ています。


ちなみに拾って来た時はこんなんでした。
2013-09-16 | コメント:0件

ジェットストリームアタック

やはりネコネタは最強のようで調子にのって投稿します。

以下、右からミミ、クークー、シマです。まるでジェットストリームアタックの如く嫁さんはやられてしまいました。


ちなみに、シマ(左)、クーク(右)は姉妹で、シマは姉でクークーが妹になります。
2013-09-09 | コメント:0件
Previous Page | Next Page