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35歳からのSESについて考える

 以前にYoutubeでアップした動画(デジタル人材育成のための「実践の場」開拓モデル事業に与太話的に物申す)にコメントをもらいました。



 コメントされた方は、『この事業に参加してSES企業に入り2か月の研修で経歴詐称して客先に派遣されそうになった』ということで、大変憤慨されておられるようです。実は日本の中小のIT会社の多くはSES企業(つまり人売り企業)になります。見分け方の一つになりますが、入社したい会社の会社概要のページに「労働者派遣事業 許可番号 」というものがあればSESもやっている企業になります。もっとも全ての会社がきちんと労働者派遣事業許可番号をとっているか怪しいところもあるのでこの番号がないからといってSESをやっていないとは限らないので注意が必要です。


 SESとは「システムエンジニアリングサービス」の略で、要は派遣なのですが、派遣と言えば場合によっては違法になるので、客先常駐といったりSESといったりしています。私の知る限り少なくとも35年以上前からあり、30年前にはSESという言葉ができていたかと記憶しています。15年程前にはデジタル土方と言われるようになったかと記憶しています。経歴詐称も昔からあり、業務経歴書を見ながら面談をして『これは嘘だな』と思ったこともありました。ちなみに、建前上は面談(面接)はご法度ですが、実際にはコメント主のように『未経験者が偽って入ってくる』ということもあるので面談してある程度(実際の実力)を見てフィルターをかけないとお金をドブに捨てることになります。


このSESですが、悪しき習慣といわれていますが、一向になくならないだけでなく、最近では裁判沙汰になったりもしています。求職者の方々はこういうヤバイ会社には引っかからないようにしたいところですが、SESにもメリットというのは存在します。


SESのメリット


  • 顧客:雇用の調整弁になっている。正規や非正規でエンジニアを雇うよりも簡単に首が切れる。
  • SES企業:請負契約でシステムを構築するよりリスクがない。収支が読める。
  • 労働者:未経験者でも就業ができる(経験ができる)。短期かつ残業代がでるのなら正規雇用より儲かる。嫌なら後腐れなく辞めれる。向いている人がいる。

 顧客企業にとっては、非正規社員以上に合法的に労働者の首を切れることになります。あまり具体的なことは言えませんが、長い年月を経て多くの人が職場を去っていった後に、私自身も去ったことがあります(もっともこれは自らになりますので首を切られたというのはちょっと違います)。


本来ソフトウェア開発というのは請負契約で行うものなのですが、これは受注企業にとってはリスクがあります。特に顧客企業にソフトウェア開発の知見が無い場合は案件が赤字で終了する可能性があります。これを避ける為に準委任契約(SES契約)を行い、要は定額料金ではなく労働者が稼働したらその分課金するということを行います。
自ら作ったサービスを売るということもあります。こちらは王道と言えますが、当然にサービスが売れないというリスクがあり、赤字になれば、SES契約でエンジニアを売り、日銭を稼ぐという手段に出ます。
このようにSES契約が全て悪ということもないのですが、一度SES契約の味をしめると企業自体が努力をしなくなります。つまり請負契約で失敗しないように経験を積むとか顧客が求めているサービスをひねり出すという努力をしなくなります。


労働者にとってのメリットは『SESは未経験者の登竜門』ということも言えます。『経歴詐称はどうなるんだ?』と思われるかと思いますが、多くの場合、雇う側も経歴詐称であることを気が付いています。また、経歴書に詐称がなくても実際にプロジェクトに貢献していたかどうかというのもあり、実務的な観点からみると経歴詐称が一概に悪いとも断言できないところもあります。『じゃなぜ経歴詐称をするんだ』と思われるかと思いますが、これは受け入れ側の企業が書類選考をちゃんとしているという安心感を得る為にあります。もちろんですがプロジェクトによっては、経験者が求められていることがあったりするのでその場合に経歴詐称されると労働者があとで困ることになります。


SESのデメリット


もちろんSESのデメリットもあります。


  • 中間搾取、人月商売の横行が横行する
    こういう商習慣(人もモノとして扱う)が蔓延すると業界のレベルアップにならないです。個人のスキルに依存するのでチームとしてやプロジェクトの成長が期待できない。日本のITが伸びない理由の一つになっているかと思う。
  • エンジニアとして現場で使う以外の技術が身につかない
    余暇を利用して新しい技術を吸収する(自己学習ができる人)が求められます。
  • IT土方として雇われてるのでエンジニアの社会常識が育たない
    本人達は社会常識を持っていると思っているようで厄介ですが、ビジネスの話ができない人が多いです。実際にSESエンジニア上がりのある人に仕事の依頼の話をしたら、なぜかこちらが受注者として話が進んことがあり、こっちは発注者として仕事を頼んでいるのだが、なぜこのような勘違いをするのか相手の社会的な常識を疑ってしまった。ちなみに通訳案内士界隈も癖のある人が多いが、それでも友人と呼べる人はいるが、ITエンジニアに対しては基本的に人間的に好きになれなず、友人はほぼいないです。
  • 顧客からのフィードバックが「契約終了」でエンジニアとしての見通しがたてられない
    契約終了に関してエンジニア自身に具体的な原因がある場合、本来ならそのフィードバックがないとエンジニアが育たないが、そういう学習機会がそがれるので成長ができない。また、突然に契約終了となるとある種の失業状態になるので、エンジニアのライフスタイルが見通しにくい、40代ぐらいでSESが終了した場合割と困る。

労働者にとっての最大のデメリットは『SESは人売り』になるということで、これに耐えられない人が一定数います。このような方はSES企業には近づかない方がよいです。


ちなみに、私自身は総合的にはむしろSESで客先に常駐する方が気が楽な面があります。それでも会社として誰かを客先に出すというのはやりたくないです。


アドバイス


最後になりますが、未経験で35歳からIT業界に転職させる方に対してアドバイスするとなると以下の点を考慮されたうえでどうするか考えたほうがよいかと思います。


  • 未経験者がIT業界に入るとSESに捕まる確率が高い。実力がないうちはSESを避けて通るのは厳しい。SESに関しては向いている人と向いていない人がいるので、SESが嫌なら日本のソフトウェア開発会社は避けたほうがよい。
  • 本来、中途採用となると即戦力が求められ、新卒採用とは異なることを理解する。先輩とか上司に頼ることはできないと考えたほうがよい。
  • そもそも、SES企業の先輩とか上司自体がエンジニアとしてもいわゆるメンターとしてもきちんとしているかどうか怪しい。
  • 職場環境やその会社の業界の位置づけ、今やっている仕事等を考慮すると、キャリアアップするには転職が必要となる場合がある。実力が付いたらそれに相応しい会社に転職することも視野に入れる。
  • その職場に居続けるという選択肢もあるが、SES企業の場合、終身雇用との相性が悪い(辞めていく人間が多い)。その会社の規模や将来性、社歴と年齢構成(例えば創業から40年のSES企業で、50代の社員が少なく若い人しかいない会社というのは歳をとったら辞めていくと考えたほうがよい)、等を考慮する必要がある。例えば、今、新卒で入った会社で本当に将来性がないのか?、定年まで働けないかを今一度自問自動したほうがよい。
  • IT業界は『モノづくり』範疇に入るが、モノづくりの難しさ(完成させなければならない)を理解して、自分自身がモノづくりの適性(プログラムが意図どおりに動くと何とも言えない高揚感がある等)があるかどうか見極める。
  • 仕事に対しての困難さをどこかで楽しめるようでないと厳しい。
  • 自己学習を続ける必要がある。平均、一日に2,3時間は勉強時間を確保する必要がある。もちろん仕事が忙しいときは仕事に集中する必要がある。暇なときに勉強ができるかどうかがカギになる。
  • AIの台頭についてアンテナを張る。悲観的な見方をすると将来は開発の仕事はAIにとって代わられる。それが何時かということで他の職種も並行して勉強しなけれならない。

と厳しいことを書いていますが、実際には、きちんとできていないエンジニアが多いのも事実です。また、仕事が好きになれるのなら割と何とかなったりします。(私の場合、コンピュータが動いている様をみるのが好きで、面倒な顧客対応をしてイライラしてたのですが、そのあとコンピュータをいじっていたらやる気が出たりしてました。)


SES契約についてChatGPTで遊んでみました。


2025-10-07 | コメント:0件

怖いわChatGPT

 クソコードを書けの記事でChatGPTを使いながら論点の整理をしていて、ChatGPTの指摘がなかなか面白いのと、どうもおべっかが過ぎるので他の記事はどうなんだろうということで、過去の記事をChatGPTに入れました。おべっかを除けば指摘はなかなか的確に感じ感想文のトーンから判断すると「つまらない記事」というのがあるんだなと気づきました。ちなみにChatGPTの指摘は有用で私自身はためになるのですが、今のところ過去の記事自体を修正するのは控えています(校正はやっています)。
「まぁ、AIが作った記事ってつまらんよね」と思っていたのですが、オブジェクト指向再考についていろいろ議論をしてましたところ、なんと途中からクソコードを書けオブジェクト指向再考についての記事の類似点を指摘しだしました。

やりとりはこちら


 こちらとしては、オブジェクト指向再考についての議論をしているつもりでしたが、ChatGPTがいきなりクソコードを書けとの類似点を指摘してきました。長いのでタイトルを出しますと「共通している本質」のところになります。ChatGPTの指摘が「つまり、どちらも“思考停止の信仰”からプログラマを解放する話なんですよね。」ということで逆に私が「なるほど」と思ったのですが、私自身はそこまで明確に自覚していませんでしたが、言われてそうだと気づいた次第です。


私自身、ブログやYoutubeをやるときに心構えとして「表層的だったり扇動的な議論ではなく、本質を追求する」とやっておったのは事実で、改めてそれを指摘された次第です。ChatGPTの指摘に「余計な指摘をしやがって」と思うと同時に、「こいつは良く分かっているな」というある種の満足感も得られました。

いままではChatGPTは主に文書校正とか簡単な論点チェックのみ使っており、あまり真剣に使っていませんでしたが、プログラミング関連の議論で、今回なかなかの突っ込みを見せてきましたのでその技術革新に驚きました。


このブログもしばしば過去に様々な議論を行ってきました。この議論はもちろん「世間の誤解を正す」という目的もありますが、「有益なツッコミによって自分自身、新しい発見をする」というものもありました。つまり相手からの反論を自身への攻撃とはみなさないで、「何が言いたいんだろうか?」とその意図を考えるようにしてました。つまり相手の話を聞くようにはしていました。もっともこちらは十分に下調べをしてから書くので簡単には反論できないのも事実で、特に感情的な人にとっては逆襲をうけたでしょう。ちなみにこの記事のコメント欄の「あいださん」2016-02-22 13:10:37(投稿)が理解されているとおり、私としては「変なコメントでも議論を続ける」ことが誠意を示しているつもりでした。


もっとも、上記の記事のあいださんの前のnagiさんとのやりとりですが、今、読み返すと「不毛」の一言につきるかと思います(10年経った今読み返すと論点が直感的にわからないのと、それが分かった時のレベルの低さを鑑みるとがっかりしました)。また、このやりとりのあと、当時としても明らかに不毛なコメントが入ってきたのでコメント欄を承認制しました。


コメント欄を承認制にしたので、有益なツッコミもなくなり、ある種つまらなくなったのですが、私自身通訳案内士としての活動も開始したので、あまりプログラミングについては記事を書くこともなかったのです。


今回改めて、「クソコード」で記事を書くにあたり、当然、AI(ChatGPT)を利用した次第ですが、ChatGPTの場合、傾向としては相手に寄り添うような表現を使うが、きちんと反論をしたり、こちらが気が付かない論点を持ってきたりします。活発な議論ができることになります。


つまり、ChatGPTを使うと私の中で議論が完結するという感覚になります。本来議論は人と行うものだったのですが、なんとも言えない味気ないものになったと同時に、私自身はそれで満足してしまっているわけです。


ELIZA効果など昔からAIを知っている人たちは、過度に機械との対話に依存することに警戒を持つのですが、ちょっとフェーズが変わったかもしれません。


というわけで当然この記事もChatGPTに評価させました。

2025-10-05 | コメント:0件

マルチスレッド&アセンブラプログラミングをしてみる(ドラフト)

 多コアCPUのコアを使い切るにはどうするか?とここ数年考えていたのですが、そういえばコラッツ予想(3n+1問題)を確認するプログラムはちょうどよい例だと思いプログラムを作成してみました。


CollatzAsmについて


 せっかくなので64ビットアセンブラで作成し、128ビット(2の128乗)までの数を扱えるようにしました。ちなみに64ビットだと入力が数百億程度(35ビット程度)で内部の計算が桁あふれを起こします。
Visual Studio 2022(C++/Asm)で作成しています。ここからプロジェクトファイル一式をダウンロードできます。


 Visual C++ですが32ビットバージョンはインラインアセンブラが使えるので、お手軽にアセンブラを使えたのですが、64ビットになりなぜかインラインアセンブラをサポートしなくなりました。ということで約30年ぶりにアセンブラのソースコードを書きました。
ちなみに、16ビット時代はアセンブラプログラミングの参考書が豊富にあったのですが、64ビットになりあまり見当たらなくなりました。昔はミックスドランゲージといって、Cからアセンブラを呼び出す方法もよく解説をされていたのですが、今では、ここに資料があるくらいで、基本的なことが分かっている人じゃないと意味不明かと思われます。
詳しい解説はご希望があればやりますが、このプロジェクトをサンプルとしてもらえればと思います。


 また、このサンプルはC++14のマルチスレッドのサンプルにもなっています。長い間マルチスレッドプログラムと言えばOSのAPIかランタイム関数を使って作っていたのですが、C++14からプログラミング言語にサポートされたということで作成してみました。


実行例は以下のとおりとなります。



最初の引数で何処までの数を確認するかを入れ、2つ目の数は並列度(スレッド数)になります。
サンプルでは10になっていますが、当然コア数以上の値をいれます。32論理コアに対して100とかにしてもパフォーマンスが上がります(後述)。


CollatzAsmBenchについて


 アセンブラでのプログラミングに限った話ではないのですが、プログラムの最適化の過程で試行錯誤を行うことがあります。特にアセンブラでプログラムすると様々な命令を使うことができるのでそのバリエーションが増えるかと思います。
ということで試行錯誤の記録として10個程アセンブラのコードのパフォーマンスを比較するプログラムを書いてみました
以下、実行結果になります。




ChatGPTの出力コードとの比較


 いわゆるバイブコーディングということで専用のツールも出てきていますが、コラッツ問題を扱うプログラムに関していうと、どこにでもあるのでChatGPTでも簡単なプロンプトでかなりいい感じのコードを出力しています。ということでChatGPTでプログラムを出力させてみました。、実際に試してみたところ可能でしたがあまり速度が変わらなかったので、今回はアセンブラでの出力はしていません。ChatGPTが作成したマルチスレッドのものを掲載します

 私が作ったコードと比較するとマルチスレッドの初期化の取り扱いがうまいです(emplace_backを使っている)。一方で、データ長は64ビット止まりで、並列性も論理コア数に従ってスレッドを作成していますが(hardware_concurrencyメソッドを呼んでコア数を取得している)、このプログラムの場合、各スレッドの実行時間が必ずしも同じではないので、スレッド数をより多くして各スレッドのタスクを細かくした方が、実行時間のばらつきの減少が期待できます。一方で、一般論になるのですが、論理コア数以上のスレッドを実行させると各スレッドがCPUのリソースを食い合いすることになるので、実行スレッド数を論理コア数に合わせるのも一つの手になります。


 今回はアセンブラでは比較をしませんでしたが、CやC++のコードを単純にアセンブラにしてもあまり早くならないということもあります。一方で128ビットのような桁数の多い計算をさせる場合、アセンブラには桁あふれを処理する命令があり、CやC++で組むよりはるかに効率的なプログラムが記述できます。機会があればChatGPTでアセンブラプログラムの最適化を行いたいですが、↑の例にあるようにAIに任せるより、自分で工夫をした方が手っ取り早い面があります。もちろんですがアイデア出しをAIに頼ることもできますので、こういうことではあまりAIと人間の比較は意味がない(人間からしたらAIも利用する)ということになりますが、2025年9月現在、このあたりのチューニングはまだ人間の方に一日の長があるかと思います。(追記)この記事の公開後、1週間でClaudebotと名乗るロボットからZipファイルがダウンロードされたのでひょっとしたらClaudeにコードがパクられるかもしれません。


 最後に実行結果を



ということで、倍以上のパフォーマンスを示しています。逆にいうと倍程度にしかならないのですが、ある処理時間が半分になるということは2020年代のCPUの進化でいうとほぼ10年に相当します(この場合シングルスレッド性能の比較になる)。つまり上手くアセンブラでプログラムを書き直すことができればCPUの進化を10年先取りできるとも言えます。CPUのシングルスレッド性能の向上が顕著だった90年代ですと概ね1,2年でパフォーマンスが倍になっていました。
余談ですが、アセンブラでのプログラミングは8ビットや16ビットの時代は割と一般的でした。90年代以降ではCPU自体の進化が早かった為、アセンブラでのプログラミングがエンコード等、いやゆるSIMD命令を使うため等、ニッチになった感がありました。CPUのシングルスレッド性の向上が見込めなくなった昨今、アセンブラでのプログラミングが見直されるかもしれません。
話を戻すと、コラッツ予想の確認プログラムの場合、スレッド数を100にしても性能が伸びていることを確認できます。これは、前述のとおり値により処理ステップにばらつきがあるためで、区間を細かくした方が(スレッド数を多くし多方が)、CPUから見た場合のトータル処理時間が平均化される為です。

2025-09-08 | コメント:0件

Windows 10 のサポート終了に備える(ドラフト)

 Windows 10のサポートは2025年10月14日に終了するとのことです。あと2か月を切りましたが、実際にはこの日が最後のWindowsアップデートということで、『この日以降しばらくは使えるのでは?』といつも思わなくはないが、手許のマシンは全て他のOSをインストールし、Windows10を載せているマシンはなくなりました。最後のマシンは、Core i7-980XのマシンをCPUを990XにアップグレードしたついでにOSもWindows11にアップデートしました。
ということで来るべきWindows10のサポート終了に向けての対応をまとめてみました。以下、お勧め順になります。


(1) ESUを使う(泣きの1年延長)


 マイクロソフト社は、Windows 10 のESU(拡張セキュリティアップデート)を低価格または条件を満たせば無料で提供するとしています。これにより1年間は、Widnows10を利用できます。
 ESUは従来のOSでも提供されていましたが、法人向けと記憶していますが、Windows10に関してはコンユ―マーにも大々的に提供されます。 ちなみに無料でESUを使う方法についてはここが詳しいです。


 当初のアナウンスではESUの無料での利用(Microsoft Rewards、1000ポイントを使用)は、個人ユースのみとありまして、私の場合はプロユースだったのでこれはスキップしました。


(2) Windows11を使う


 従来の慣例(発売日から10年)からいうと、Windows11は、2031年頃までは使えると予想できるので、Windows11を試す方法もありえます。
 ただし、非対応PCにWindows11をインストールすると、サポートから外れることとなります。つまりトラブルが起こってもマイクロソフトは助けてくれないことになります。とはいってもChromeOSやLinuxについてもトラブルが発生した場合は基本的に自助努力が必要ということで、この点ではあまり変わらないともいえます。
さらに非対応PCの場合、年1に発生する大型アップデートが行われないのですが、昨今のトラブル事例を鑑みますと、却って大型アップデートがスキップされるので好都合ということも言えます。


 Windows 11の対応PCは概ね、TPM2.0、セキュアブートをサポートし、第8世代 Core i以降(インテル)、第2世代Ryzen以降(AMD)のCPUとなります。インストール時にこれらの条件のチェックが入ります(クリーンインストール時はCPUの要件はチェックされない)が様々な方法でチェックを回避できます。
 2025年8月時点では一番簡単な方法は、Rufusというツールを使って、Windows11のISOファイルからUSBメディアを作るとこれらのチェックを回避したインストールメディアを作ることができます。
 これでも残念ながら古いCPU、Core 2 DuoやCore 2 Quadやそれより古いCPUにはWindows11をインストールすることはできません。
Windows 11 の要件については、色々ニュースもあったのですが(https://youtu.be/rg0ol-7RpvAhttps://youtu.be/0fe0xRgVgWg)、ややこしいのは上記の条件が回避可能というところで、さらにい最近のYoutube界隈では『Windows11の要件が緩和された!』とかいう動画もちらほら散見され、『本当のところはなんやねん』と気になるかと思います。
推測の域ということになりますが、Windows Server 2025 のシステム要件、がヒントになります。Windows Server 2025は、Windows 11 24H2と同じビルド番号(26100)を持っており一卵性の双子ということで、Windows 11 24H2の『本当(?)のところの要件』は、Windows Server 2025と同じということができます。これによると、セキュアブートもTPM2.0 も必要なく、CPUの要件はインテルでは初代Core iからということになります。
 現実的には古いマシンで上手くインストールすることができない非対応のマシンがあるので、そういう場合は、諦めるしかないです(そういうことでの非サポートということは意味があります)。
現在分かっているトラブルと対応方法ですが、古いRealtekのネットワーク(オンボードのもの)でケーブルをつないだ状態で、Windows11をインストールするとBSOD(ブルースクリーン)となり再起動を繰り返すことになります。回避方法の一例は他のネットワークカードやUSBのイーサネットアダプターにケーブルをつないでWindows11をインストールしBSODを回避することが挙げられます。その他、この動画が役に立つかもしれません。
その他、こういうトラブルも報告があります。こちらはRealtekのサウンドになります。


非対応マシンにWindows11をインストールするとパフォーマンスが下がるとかいう話がありますが、私が触った感じではそういうことはありません。

 まとめると、
Windows2025の要件に合致しないマシン(CPU)では、Windows11は動かないと考えてよい。
Windows11の要件に合致するマシンは動くと考えてよい(動かない場合はサポートが受けられる)。Windows2025の要件に合致してかつWindows11の要件に合致しないマシンは、動くかどうかわからない。動かない場合は自力で解決または諦めるしかない。
ということになります。


(3) ChromeOS (flex) に移行する


 もし、使っているマシンがノートPCで、ほぼブラウザとGmailしかしないということであれば、ChromeOS(flex)に乗り換えることもありです。
実際に非力なマシンでも、Windows10以上にChromeOS (flex)は軽快に動作します。さらに、DebianをChromeOS上で使えるので、プログラミングも可能です。
以下の欠点はあるのですが、私は、持ち運び用のノートPC(NEC PC-VKT12H)に、ChromeOS flexをインストールして半年ほど使っています。私の場合は、リモートデスクトップクライアントを入れて、遠隔でメインマシンにつないで使用しています。


ChromeOSの欠点としては、割と動かないマシンがある、例えば、手許のCore i9-10980XEでは起動しませんでした。
他にはSDカードの読込に難があるようで、Chrome OS flexのノートPCに、マイクロSDを挿して数百のデジカメの写真データをコピーしようとして猛烈にスローダウンしました(30分程待ってコピーが終わった)。
さらにいうと互換性・移行については自己責任で、ChromeOSをインストールするということは新規インストールになるので、ディスクが消去されます。データについては別途バックアップをとる必要があります。またお使いのアプリの代替のものがChromeOS上にあるか調べる必要があります。これについては初心者にとっては敷居が高くなりますので覚悟が必要となります。


(4) Linuxに移行する


 常にWindowsのオルタナティブとして君臨しているLinuxですが、同時にオープンソースの世界(≒カオス)を見せつけてきたということで初心者にはキツイものがあるかと思います。しかしながら最近では人気のディストリビューションが出てきて、Android(Linuxをベースとしている)の普及もあり、そろそろ初心者にもやさしいものが出てきたのではないか?と思います。


ちなみにディストリビューションという単語がわからなない場合、Linuxに移行するのは厳しいかと思いますので敢えて説明はしません。


お勧めというか私が使っているディストリビューションは、UbuntuとQ4OSになります。他には、ディストロウォッチのここや、ここをみてお好きなディストリビューションを探すのもよいかと思います。


 Linuxの欠点としては、なんやかんやでGUIのパフォーマンス・出来がが悪い(誤解されるとなんなので言うとベースのカーネルは悪くないが、経験上、GUI等を構築すると結局Windowsと比べてパフォーマンスが劣る。)よく古いマシンにLinuxを入れてという話がありましたが、今のLinuxは十分に重く残念ながらWindowsの代替と期待しすぎると残念な思いをするかもしれません。加えて、自力でサポートをしなければならなく、Windows11を非対応PCにインストールする以上にLinuxのインストール&セットアップは難しいかと思います。さらにOSのインストール後にChromeをインストールするにはどうするか?とか、については初心者にとっては一筋縄ではいかないものがあるかと思います。もっとも、こういったことはITのプロを目指す方にとっては一つの登竜門でもありますので、プロを目指す方は是非試してみた方がよいとも言えます。


Linuxをインストールすることについてはデータ移行・互換性についても自己責任で、データについては別途バックアップをとった方がよいです。またお使いのアプリの代替のものがお使いのディストリビューション上にあるか調べる必要があります。もっとも多くの場合、代替のアプリを見つけることができるかと思います。


(5) 番外編(LTSC、Windows Server)
 長期サポートバージョンということで法人向けには、Windows 10 LTSCというものがあります。これは一般の方は入手しずらいかと思いますが、2027年1月までサポートされます。


その他、Windows Serverの場合、もう少し期限が延長されます。各バージョンのWindows Serverのサポート期限は、
  Windows Server 2016 2027年1月
  Windows Server 2019 2029年1月
  Windows Server 2022 2031年10月
  Windows Server 2025 2034年10月
となっています。このうち、2016、2019、2022がWindows10を元にしており、2025がWindows 11を元にしています。


 業務用のサーバーになりますが、私の手元には、Windows Server 2019と2025があります。2025の方には、Broadwell(第5世代相当)のXEON E5 2696 V4で運用しています。
これらはパッケージが入手できるかと思います(2025は今のところ見当たらないですが・・・)。が、2019は18万円ほどで、2025は追加のコアライセンスもあり30万円を超えました。(最近円安もあってかサーバーの値段が上がっています)。
昔(Windows Server 2003や2008)の頃は概ね10万円程度で買えたサーバーOSですが、ここ15年で大分値段ががりました。



2025-09-01 | コメント:0件

保守の台頭と、通訳案内士として戦争責任をどう説明するか?

今年(2025年)の夏は参議院選挙があり、いわゆる保守系の政党が躍進しました。
私自身はいわゆる中道の人間と自負していますが、改めて結果をみると右寄りの人が多いことに驚きました。
もちろん、右左は考え方の違いなので結局、国が良くなればどちらでもよいかと思うのですが、今年の夏は幾つか気になる言動があり危機感を持った次第です。


 例えば、この記事『石破首相は“醜く奇妙な生き物”?「誹謗中傷」にスカッとする人が盲信する“美しさ”の正体』のように過激なことをいう保守党の新人議員がいます。ちなみに私は恥ずかしながらこの方に投票しまして、早くも後悔をしています。どうもこの方は安倍元首相をひいきにしていて、石破首相については安倍さんと対立していたこともあり、基本的に嫌っているようで、石破さんを左翼と主張しています。


まぁ、これなら国内の話なので考え方の違いだとすればよいのですが、最近、日本人ファーストということで、外国人に対する排斥運動、特に中国に対して分断をあおるような主張が目立ちます。
ちなみに南京事件(南京大虐殺)は無かったとか、保守党が発表した戦後80年の談話に、『戦争の「罪」は償ったと言えるでしょう。少なくとも、今を生きる日本人がその罪を背負う必要はありません。』ということを言っております。


 前置きが長くなりましたが、いち通訳案内士として戦争責任についてどのように海外の方に説明するのか?を紹介したいと思います。
(注、これはあくまでも一人の通訳案内士の見解であり、これが正解という話ではございません)


戦争については積極的には触れない


 まず、通訳案内士として外国人のお客さんと接するときに、太平洋戦争についてはわざわざ触れるようなことはしません。そもそも、日本に来る外国人の方は、当然、日本好きでありわざわざネガティブな話を聞く用意がありません。敢えて触れないことが肝要かと思っています。


避けられない場合


 通訳案内士としては、政府見解は大変ありがたいと思いますので参考にしています。
 例えば、広島を観光する場合、原爆ドームやら平和記念公園を案内しなければならない場合があります。この場合、政府見解を参考にして、『日本は悪い国だった。それで戦争があり、広島では原爆が落とされた。』という感じで説明します。
ここでもあまり詳細は話しないようにします。あくまでも『日本は悪かった』、『戦争は人を不幸にする』、『戦争被害者としての広島』という説明をしてあとは資料館に任せます。ちなみに通訳案内士を『民間外交官』という人がいますが、特にこういう説明を求められた場合、民間外交官ならもっときちんとした説明を求められる場合がありえますが、そもそも私のスタンスとして民間外交官という考えは持っていないので、ガイド業務として自分の主張を含めて詳細は話しません。


もっと詳細な話を求められたときは


 もっと詳細な話を求められたときは、当時の状況や現在の日本人として戦争はどう思うか等の話をするかと思います。
 例えば、『窮鼠猫を噛むではないが資源がないところで禁輸で追い詰められたので一発逆転を狙った。』とか、『現在の日本は武装解除している。ある意味アメリカの支配下にあり軍事的な能力は限定されているので、現在は戦争をやろうという発想は日本人からは出てこないのではないか?』とか『日本人は一度決めたことを方向修正することができないので当時は軍事的な拡大路線を貫いて結局、止めることができなかった。』ような話をします。悩ましいですが相手によっては『自虐史観についてはそろそろ止めたいという人もいます。』という話をするかもしれません。そのほか、相手の国により反省のトーンをかえますが、中国人、韓国人、欧米人の方と突っ込んだ話をするときはアイムソーリーというのははじめに入れるかと思います。


終わりに


 2024年のインバウンドの消費額が8兆円を超えたらしいです。これはかつての電化製品の輸出額に匹敵するということで、インバウンドが現在の日本経済を支えていると言っても過言ではないです。民泊やオーバーツーリズムの問題がありますが、重要な産業であることは間違いがないです。
保守系の方は中国に対して敵愾心をもっているようですが、残念ながら日本のプレゼンスは中国より下になりつつあります。海外旅行をすれば、『Japan as No.1』というのが懐かしいぐらいどこでも中国人がいて日本人と合うことが少なくなってきました。40年前の日本は確かに世界に誇れるような国でしたが、残念ならが今はそうではないです。それは中国のせいではなく。日本自体が自沈したからではないでしょうかね?

2025-08-24 | コメント:0件
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